131

 それから数日、君達は城の客人として過ごした。命華草ライフグラスを素材に薬を調合し、王を回復させる所に立ち会うためだ。


 そして薬が出来た日。

 君は大臣に呼ばれ、王の寝室に通された。

 豪華なベッドに痩せこけた老人が横たわっている――彼がビイン王なのだろう。一見では死んでいるようにも見える。

 さらに容姿端麗な二人の王子がいた。金髪と銀髪の違いはあれど瓜二つ。彼らは双子なのだ。しかし互いに横目で覗いあうその視線には、相手への不信がありありと見て取れた。

 そして大臣と、彼が率いる治療術師たち。


 治療術師の一人が琥珀色の薬が入った瓶を、王の口にそっと寄せ、中身を注ぎ込む。

 皆が息を飲んで見守った。

 すると――


 王の顔色がみるみる、本当にあっという間に、血色を取り戻したではないか。皺が明らかに減って肌にも艶が出る。

 王は目を開けた。

「‥‥随分と長い事、眠っておったようだな。近年ないぐらいに体調が良いぞ」

 そして自ら身を起こすではないか。


 治療術師たちが歓声をあげ、大臣はむせび泣いて喜んだ。

 そんな中、双子の王子は安堵の溜息を一つつくと、また飽きもせず視線で互いを牽制しだしていた。


・【フラグNo.12】の値が10以上なら、その値に「236」を加えた項目へ進め。


 そうでなければ、君が報酬を貰う番だ。

 大臣が約束したのは、君をどこかの村の村長にしてくれるという話だった。ありがたくいただくなら――

https://kakuyomu.jp/works/16818093075655425577/episodes/16818093075687177803


 あえて断り、このまま放浪の旅を続けたいなら――

https://kakuyomu.jp/works/16818093075655425577/episodes/16818093076927677993

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る