転生するのに遺言しか託せない。
まかでみあ
第1話 遺言ってこんな感じでしたっけ
死は突然にやって来るものだ。俺はそんな誰かの言葉を思い出した。いつものように起き、通勤し、働き、退社した俺は帰り道、突然自動車が俺がいる歩道に突っ込み。そこからの記憶はない
「目覚ましたかい
俺は真っ白な空間で目覚め目の前には背中に純白の翼が生えた神秘的なオーラを放っている美しい人、いや人型生命体がいる。
「君は事故に遭い死亡した、これから君は剣と魔法の世界に転生する。そして君は特別に来世に遺言を託すことができる。我々神々は定期的に他の神の高度文明世界からの転生者に遺言や多少の記憶を保持したまま転生させ世界に改革をもたらしているのだ」
この神と自称する人型生命体は急にそんなことを言うが俺はなぜか戸惑いもせずに冷静に現在の状況を理解できた。もしやこれは神の力なのかもしれない。
「遺言を考える時間をあたえる。決めたらこのドアの前でつぶやいた後に入れば転生できる。私は他にすることがあるのでここで失礼する。」
いきなりドアを出現させたと思ったら急に神の周りだけ霧が濃くなりその姿がどんどん薄れてゆく。
「あっ、ちょっとまっt」
俺が引き留めようとした頃には神は霧と共にいなくなっていた。
「どうしたものか」
神の力かは知らぬが理解はできる、しかし急すぎて実感がわかない。あまりにも非現実すぎる、あの神と自称するものは何だったのか。夢だったりはしないのだろうか、どこかで夢かどうかを
確認するときは手相を見てぼやけていたら夢だと聞いたことがある。
「普通だ」
普通だった、あまりにも精巧だこれは現実なのだろう。
まぁもう起きたことをネガティブに考えても仕方ない、
前向きに考えてみよう。
それにしても遺言か、、、
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あれから少し考えてみた来世に託せるという遺言とやらを。
まず神がいうには俺の世界は高度文明らしいそして来世は剣と魔法の世界らしい、そして改革をもたらすことに期待している。つまり遺言として科学知識を託せばいいのだろうか?幸い俺は理系だ、ある程度の科学知識ならもち合わせている。しかし本当に科学知識だけでいいのだろうか、我々人類は工業化によって高度文明になった、だから科学知識からそれを単なる知識から技術へ、技術からそれを実生活に使えるような物へと進化させるための工業化である。
遺言は4構成からなるものを考えた
第一章は前世である俺のグロースマインドセット、俺の住んでいた世界の技術レベル、そして神のことについて。
第二章は基礎的な算数、数学、そして基礎的な科学への導入のために自然界の[現象]の説明。
第三章は基礎科学、科学の応用、科学的視点からの自然界の[現象]説明、科学の実世界への応用。
第四章は諸々の理論上、研究中の科学、そして【魔法・科学統合技術】のようなものが実現できるかもしれないという事について。
長くなってしまったし第三章以降は専門的で理解するのには実験と研究が(設備がないだろうからしばらくは机上の空論だろうが)必要かもしれないが、きっと来世の俺なら何とかしてくれるだろう。そう願いながら俺は扉の前で遺言を呟き。
ドアを開け入った。
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転生するのに遺言しか託せない。 まかでみあ @makademianicha
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