この素晴らしい火力のマダンテを!

ゆにくろえ

この素晴らしい火力のマダンテを

私は死んだみたい。


「あなたは死にました」


トラックに引かれて死んでしまったみたい。


「赤ちゃんから生まれ変わる、天国に行く、そして・・・」


赤ちゃんからやり直す場合は、私の記憶が失ってしまう。文字通りの私がなくなってしまう。

天国は娯楽もない、お爺ちゃんたちが日向ぼっこしてるイメージの地獄のような場所らしい。


「魔王に瀕している異世界に行ってもらえないかしら?」


「異世界転生みたいなものですね!わかりました!」


「転生特典のようなものを1つ差し上げます。この本から選んで!」


「ドラゴンク○ストのマダンテを使えるようにしてくれませんか?」


私はマダンテ信者だった。すべての魔力を解き放って暴走した魔力の爆発で攻撃をする最強魔法。

その火力に魅せられた存在である。

その火力を追求できれば他は何もいらないってぐらいのマダンテ大信者なのである。


「いいでしょう。マダンテ習得と、マダンテに似合う魔力とその才能を与えましょう。では、良き異世界ライフを」


こうして、私、恵は、異世界へと旅立った。


◆◆◆◆◆


始まりの街・アクセルへとたどり着いた私、恵は、冒険者ギルドへとやってきた。


「登録料1000エリスをお願いします」


「ごめんなさい、私、お金を持っていなくて・・・」


冒険者登録するのにお金がいるのであった。

私を転生させてくれた女神・アクア様は、お金を用意してくれなかったのだ。


「お金がないと冒険者登録を出来ないのですが・・・」


「それは何とかできませんか?一文無しなので、後払いとか、させてくれないでしょうか」


どうしてもだめらしいので、1000エリスをもらえるように、酒場の怖そうなモヒカンやら、座ってるおじいさんやら、にお願いをして、貸してもらって、登録した。


「この魔力は・・・・アークウィザードやアークプリーストなど、上級職にもなれますね」


「では、アークウィザードになります!」


私、恵はアークウィザードになった。

魔王を倒す勇者として、最強の魔法マダンテの使い手の私の冒険者ライフが始まる・・・


◆◆◆◆◆


「依頼・・・マンティコアとグリフォンが争ってる。報酬30万エリス。これにしよう」


ジャイアントトード討伐や、ゴブリン討伐、コボルト討伐など、数々の依頼があった。

私のマダンテにかかれば、マンティコアだろうが、グリフォンだろうが、一撃で粉砕できるはずだ。


「この依頼は初めての依頼としては難しいと思うのですが、ジャイアントトードとかをおすすめしますが・・・」


「いいえ、最強の魔法を扱えるアークウィザードの私にかかれば、マンティコアもグリフォンも一撃必殺です!」


受付の方に心配をされましたが、私のマダンテは最強です。

マンティコアとグリフォンが住むという場所へとやってきました。

私の事を心配して、ギルドの人が1人見張りにきているみたいですが、問題ありません。


マダンテで魔力を全て使い果たしても、MP0でも普通に動けるはずですから・・・


かっこよく、長い中二病の詠唱を放ちつつ、マダンテをマンティコアとグリフォンに放った。我が火力は最強。

でも、頭がクラっとして倒れてしまった。


そして、ギルドへと運ばれたようです。


「一撃でマンティコアとグリフォンを倒せるのは凄いですけど、魔力がなくなったら気絶するのは常識ですよ!!!」


「そうなんですか、すみません」


この世界のマダンテは、使うと倒れてしまう欠陥品でした。


「他の魔法を習得するのをお勧めします。中級魔法や上級魔法を習得するといいですよ」


「いいえ、私は、このマダンテを愛しています。最強の火力のマダンテだけで最強の魔法使いとして認められたいんです。マダンテの火力を追求したいのです」


「そうなんですね、おすすめしないですよ、頭おかしい爆裂娘みたいですね」


頭おかしい爆裂娘って何なんでしょう。マダンテのみの魔法使いはおすすめされないようですが、私はマダンテを愛する魔法使い。マダンテだけを使いたいのです!


こうして、パーティーを組むのですが、マダンテ1発こっきりで倒れてしまう私は、パーティーに馴染めず、すぐに解雇されてしまうのでした。

他の魔法も覚えれば、冒険は楽になるし、活躍できるかもしれない。それはわかります。

しかし、私はマダンテの火力に魅せられたマダンテ大信者です。マダンテじゃないとダメなんです。


紅魔族のめぐみんとゆんゆんとは仲良くなりました。

私の名前は恵なので、あだ名はめぐみんと呼ばれてました。親近感がわきます。黒髪ぱっつんロングと3歳年上で少しめぐみんよりお姉さんです。

中二病な趣味も相性がよかったです。ゆんゆんは中二病なセリフを恥ずかしがっていますが、私の国のゲームや漫画のお話を聞いたらわくわくしてくれました。ゆんゆんも中二病な所が好きなようですね。仲間です。


めぐみんの爆裂魔法と私のマダンテの火力勝負をして、二人とも倒れてゆんゆんに運んでもらったり、街の人とかと会話したり、色々したりして、情報を得ました。


王都では魔王軍の軍勢と戦っているようです。

そこで私のマダンテを放てば、この火力を生かす事が出来るかもしれません。

そして、大量の経験値を得て、レベルを上げて、魔力や魔法の火力のレベルを上げれば、さらに強力なマダンテを使えるようになります。

そして、そのマダンテで魔王軍の軍勢を倒して、レベルを上げてを繰り返せば、私のマダンテはさらに最強の火力に近づく事ができるでしょう。


こうして、私は王都へとやってきて、王国に勇者として来た事、強力な魔法を1日1発打つ事が出来ることを伝え、王女・アイリスの話し相手&マダンテ使いとして、活躍する職に就くことが出来た。


この素晴らしい火力のマダンテを最強にするために私、恵は毎日戦い続けるのであった。

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