概要
言葉のない世界へ
私見
一. 私が書いた物は文学などではなく、遠く及ばず、又そう呼ばれることをのぞまず。単なる虚言の羅列にすぎず。文学を自任することはすでに亡き人たちの特権であると信ず。私は私の快楽の為だけに嘘を吐く(すべて虚偽にすぎぬ言葉を使用する)ただの嘘吐きであると信ず。
二. それゆえに私は小説家にならないのではなくなれないのであると信ず。
三. 文学である、と指さすことは政治であると信ず。
四. 文学と云う営みは否定の運動であると信ず。文学である、と指さすことは、表現の不可能性が止揚されて了ったことを意味すると信ず(彼は到達した。彼は小説家を廃業にしなければならない)。また傲慢な読者のふるまいは消費者のふるまいであり、文学と云う営みに何ら与らないものであると信ず。必要な否定は批評によってのみもたら
一. 私が書いた物は文学などではなく、遠く及ばず、又そう呼ばれることをのぞまず。単なる虚言の羅列にすぎず。文学を自任することはすでに亡き人たちの特権であると信ず。私は私の快楽の為だけに嘘を吐く(すべて虚偽にすぎぬ言葉を使用する)ただの嘘吐きであると信ず。
二. それゆえに私は小説家にならないのではなくなれないのであると信ず。
三. 文学である、と指さすことは政治であると信ず。
四. 文学と云う営みは否定の運動であると信ず。文学である、と指さすことは、表現の不可能性が止揚されて了ったことを意味すると信ず(彼は到達した。彼は小説家を廃業にしなければならない)。また傲慢な読者のふるまいは消費者のふるまいであり、文学と云う営みに何ら与らないものであると信ず。必要な否定は批評によってのみもたら
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