こちらはVtuberと楽しめるカラオケBARです
@yumeria_akira
開店準備
第1話
―――気が付いたら女の子になっていた。
最初は何が起きたかわからなかったけど、3歳くらいの女の子になってた。
どうしてこうなったかは分からないけど就職も交友関係も何もかもうまくいってなかった私は今まで通り流されるままその事態を受け入れた。
どうやらママはカナダ生まれらしく鏡を見たらママ譲りの金髪と整った顔を持っていた。
日本に来た理由は留学した時に日本が好きになり好きな人が出来てそれでこっちに仕事を見つけてきたんだって。
そして晴れて日本に来て好きな人と付き合い始めたのはいいんだけど、実はその相手おママと約束してたくせに他に女の人を作ってたらしく、私がおなかに入ったと知った時に逃げ出したんだって。
だから父親はいない。
「ら~♪ら~」
「ゆめちゃん上手」
「いい感じだ。もうちょっと高めを意識してごらん?」
「いいわね夢歌。幻夜さんと白夜お姉ちゃんにお歌教えて貰えて」
はずだったんだけど、お父さんっぽい人とお姉ちゃんみたいな人は出来た。
場所はカラオケBAR【まどろみ】。
お母さんの職場で前の職場は男に逃げられた時のショックでミスを連発してやめちゃったらしい。
国に帰るしかないけど、好きになった日本にまだいたいって途方に暮れていた時に幻夜さんに拾われたんだって。
働いてる時間私のことを見れないって言ったら店置いておいて貰えることになって開店前の時間。
私はマイクを片手に一生懸命に声を出していた。最初はお姉ちゃん(白夜ちゃんにそう呼ぶように言われた)がカラオケの機能でボイストレーニングしているのを見ていただけだったのがいつの間にか私もやることになっていた。
最初は困惑していたけど前からストレス発散でカラオケには言ってたけどこの機能は使うことなかったなとやってみると意外と難しくて苦戦した。
でも久々に楽しいって思えた。他の人も一緒だったからかな?
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小学生に上がった私はお姉ちゃんかお友達と学校から直接お店に行って。一緒にお勉強してその後ボイトレ機能を使って練習。
その時に幻夜さんからおやつをもらったりもしたよ。
開店時間になるとお友達の親がやって来てそのままお店で過ごしたり、そのままお友達を連れて帰る。
私はお水を運んだりマイクを運んだり、お客さんの歌いたい曲を入れたり、お姉ちゃんやお友達、はたまたお客さんや一人、そしてお姉ちゃんと一緒に歌ったりして過ごします。
お歌を歌うとたまにお客さんからお小遣いも貰ったりして、そんな楽しくも充実した日々を送っていた。
そんなある日お姉ちゃんが遅く帰ってくるときになんかザワッて来たからお迎えに行ったんだけど変な女の人とお話ししていてなんかお姉ちゃんが遠くに行ってしまいそうな気がして泣いちゃった。
ちょっと情けないなと思ってたらお姉ちゃんがすぐ駆けつけてきてくれて思ったことを話すと「迎えに来てくれてありがとう」って言われて手を繋いで走って帰ってくれたからついにやけちゃった。
―――1週間後、ママと幻夜さんが再婚してお姉ちゃんが本当のお姉ちゃんになりました。
………ドユコト?
ママからは二人が離れ離れにならないようにって説明されました。
実はあの女の人がお姉ちゃんのホントのお母さんで、昔お店のお金を遊びに使ってたんだって。それで親からも勘当されたけどお姉ちゃんのことは諦めれなくてあの時連れてこうとしてたらしいんだ。
それで私が泣き出して気を取られてる一瞬で抜け出し人目のつきやすい大通りに出たんだって。
それがきっかけでもともと幻夜さんに気が合ったママは何かあってもお姉ちゃんの親権があの女の人に行かないようにって理由も付け加えて女の人の両親……おじいちゃんおばあちゃんにも話をつけて再婚したんだって。
つまり私がお迎えに行ってなかったらお姉ちゃんが連れ去られてたかもしれないってこと!?
迎えに行ってよかった~
ちなみにおじいちゃんとおばあちゃんとの仲は良好でたまにお店に来て私もお姉ちゃんと一緒に可愛がられてます。
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小学校高学年でも相変わらずな日々を送っているが、少しおしゃれを覚え始めた。
こういう時っていきなり性別が変わるんじゃなくて小さい子供からっていうのは助かるなって思う。
前世ではこういうことに興味がなかったから何も分からなかったけど、女性の化粧は必須技能な今世ではそうもいかない。
前世の姉や妹が出かける前に必ず化粧をしているのを見てただけだったけどほんと大変だと思う。
と言っても今は化粧水や保湿クリームを塗るだけだけど、お客さんで来るお姉さま方曰く若いうちからのケアが必要なんだって。
お姉ちゃんとどの化粧水が肌に合うかたまにママが混ざったりして楽しくお話している。
その時の幻夜パパは寂しそうな顔をしてるけど、幻夜パパにはお料理を教えてもらっているからお相子だよね?
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そして中学に上がって
―――パパとママが死んじゃった
きっかけは二人が新婚旅行も行ってないことに気が付いて私が勧めたことだった。
二人とも私とお姉ちゃんお店の事ばかりでそういうこと全くしてなかったんだよ?私のも学に上がったからって理由も付けて二人を送り出した。
その帰り道に交通事故にあった。
お姉ちゃんともしかしたら兄弟が増えるかもねと冗談を言い合いながら帰りを待っていて届いたのが二人の訃報。
当時、親権はおじいちゃんとおばあちゃんが持つことになって店をどうするかって話をして、そこで今世になって初めて「お店を守りたいって」意思表示したのだけは覚えてる。
あとで回りから聞いた話だと一定期間休んだ後、急に店が再開したと思ったら私たちの姿を見れて安心したって。
それから急に流行りの感染症とかで危なくなった時もあるけど、周りの力も借りながらなんかお店を維持してきた。
中学を出たらすぐにお店に集中しようと思ったけど高校は行きなさいと周りの声に観念し地元で統合されて一つに夏という話があるから一番近いところを選択見事合格した。
そして順調に進むと思っていた高校生活一年目2学期の始まり。
―――私は自室に引きこもっていた
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