お笑いコンビ ドリームヘルパー

磧沙木 希信

お笑いコンビ ドリームヘルパー

※某お笑いコンビのリスペクト作品になります。


代名詞となるセリフが出てきます。その点にご理解をお願いします。






「あなたの夢を」「お手伝い」


「「ドリームヘルパーです。よろしくお願いします」」


「コント、住宅の内見」




「なぁ、俺たちもけっこうな歳じゃん」


「ああ、それが?」


「だからさ、そろそろ自分の家をほしいなって。でも買い方わからないから、ちょっと練習させてくんねぇ」


「お前の夢のためなら是非ぜひもねぇ」




「家が欲しいんだけど、どうすればいいのか分かんねえな。……お! あそこでモデルハウスの内見やってんじゃん。ちょっと見てみるか」


「ようこそ、ドリームハウスへ!」


「あのぉ、家を見たいんですけど、いいですか?」


「ありがとうございます。勿論もちろんでございます! では、こちらのアンケートにご記入をお願いします」


「ああ、あれね。名前とか住所とかね、あるね」


「では、私が読み上げますのでお願いします。……まずは、お名前」


「……名前っと」


「ご住所」


「……住所っと」


囚人番号しゅうじんばんごう


「なんだよ囚人番号しゅうじんばんごうって! 電話番号じゃねーのかよ!」


「わからないなら、監房番号かんぼうばんごうでもいいですよ」


「知らねぇよ! ってか、どう見てもカタギだろ!」


「ハハッ!」


「なんだよ、その笑い方! ったく……ほらよ、名前と住所、書いたよ」


「ありがとうございます。では、玄関からご案内致します。ご覧の通り広々としてますし、靴の収納もバッチリですよ!」


「やっぱりね、玄関は広い方がいいよね」


「では次にリビングをご案内いたします」


「おお! 広いねぇ」


「ありがとうございます。今なら、ここにある家具をお付けしますよ」


「この大型テレビも?」


「はい」


「このソファーも?」


「はい。……勿論もちろん私もお付けしますよ」


「いらねぇよ! ってか、俺結婚してっから!」


「ハハッ!」


「だから、なにがおもしれぇんだよ!」


「では、隣の和室をご案内します」


「おお、和室。いいねぇ、やっぱり日本人は和室だね」


「やっぱり刑務所も和室なんですか?」


「知らねぇよ! ってか、しつけぇな!」


「ハハッ!」


「だから、その笑い方やめろって!」


「それでは次にキッチンのご案内です。最新のシステムキッチンですよ」


「おお、いいねぇ。俺料理すっから、こだわりがあるんだよねぇ」


「……どういった意味での料理ですか? まさか指を……!」


「だ! か! ら! カタギだって言ってんだろ!」


「ハハッ!」


「なんだかめんどくさぇな。もう帰るわ」


「最後に寝室のご案内だけでも……」


「最後だかんな!」


「ありがとうございます。……こちらが寝室でございます」


「……なんか長細くねぇか」


「はい、土地を最大限活用するために、このように長方形……はっ! アルファベットの”I”(あい)の形になっています! お客様! この寝室は”I”(あい)の形です!」


「なんだよ急に、あいあいって。気持ちわりぃな……! ははぁ、寝室だけに”I”(愛)の巣ってわけだ!」


「……」


「笑えよ! さっきまで笑ってたじゃねぇか!」


「ちょっと何言ってか分かんないですね」


「なんで分かんねぇんだよ! もういいわ」


「「ありがとうございました」」




※今現在は囚人番号しゅうじんばん監房かんぼうは呼び名が変わっています。

それぞれ称呼番号(しょうこばんごう)・居室(きょしつ)となっています。

分かりやすいように昔ながらの言葉を使いました。




「ちょっと何言ってか分かんないですね」


「これは分かれよ!」

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お笑いコンビ ドリームヘルパー 磧沙木 希信 @sekisakikisin

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