第9話 おかあさん


 やだよ。ねえ、おかあさん。

 ……よく、聞いて。ね、おかあさんと歌ったお歌、覚えてるわね。

 うん、うん。おぼえてる。おぼえてるよ。

 その、お歌、ね……おか、あさんの、大切なひと、から、もら……ったの。

 うん。

 お母さん、を……あなたを、護る、歌、だか……ら。

 わかったよ、ねえ、おかあさん、またげんきになるよね、ねえ。

 ……お歌……だいじに……ね、そのときが……来たら、きっと、わかる、から。

 おかあさん、おかあさん。

 まも、る……あなたを……人類、の……ギストラロムドの……希望、を……。

 やだよお。おかあさん。


 ね、おきて。


 ねえ、おかあさん。


 おかあさん。


 

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る