秋色「人魚と内緒話」
・秋色「人魚と内緒話」
→https://kakuyomu.jp/works/16818093081682314960
夏の混雑したビル街で、水着のディスプレイを眺めている「私」。ふいに思い出したのは、一年前に同級生だった南野君に再会した時の会話だった。回想と会話を中心に、「私」の半生と南野君の関係性を描いた現代ドラマ短編。
秋色さんは、「Under the Storm」に続いての参加です。前回は、眠る前に色んなことを取り留めもなく思い出していくという構成の現代ドラマでした。
会話文が、「」ではなく、—を使っているのが印象的です。遠い時間に起こったことを、静かに思い出している感覚を追体験できます。それから、ちょっとネタバレになるのですが、最後の―の使い方も、グッときました。
「人魚」の出し方も、個性的で良かったですね。下半身がお魚の人外としての人魚、ではない、比喩としての人魚です。変化球ですが、それがよりなんてことのない日常の中の出来事のように受け取れました。
本作、私が感じたメインテーマは「再会」です。ふいに訪れる、偶然だから、こっちも身構えしていなかったからこそ、本音とか本心とかが溢れ出ちゃうのかもしれません。もちろん、相手側も同じことが言えます。
この偶然が、いい方向に転がってくれればいいんですけど、まあまあまあ……。そんな、人生のままならなさも含めて、味わい深い一作でした。
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