立積赤柱『 人魚と内緒話~海洋冒険奇譚『水平線の彼方へ 』』
・立積赤柱『 人魚と内緒話~海洋冒険奇譚『水平線の彼方へ 』』
→https://kakuyomu.jp/works/16818093080520850005
貧しい漁師の海彦は、岩場にか「人魚」の少女が流れ着いているのを見つけて、助け出す。一人きりで暮らしている自宅へ匿ったのだが、村へは「人魚」を探す二人の男が現れた。明治時代の日本を舞台にした、ボーイ・ミーツ・ガールな海洋冒険長編小説。
立積さんは、同題異話初参加の方ですね。他の著作は異世界ファンタジーが多いようで、こちらが初のSFジャンルのようです。第13回角川つばさ文庫小説賞にも参加している作品でもありました。
児童書の賞に参加しているのですから、こちら、真っ直ぐなジュブナイル作品となっております。しかし、潜水艦の仕組みとかはガッチガチに固められており、立積さんの趣味と情熱をありありと感じ取れました。
でも……本当にいいものですね。少年が、思いがけない冒険に巻き込まれて、身も心も成長しながら、そして、好きな子のために……って、明治が舞台ですが、そういう盤石を押さえているので、非常に安心して読めます。
オリジナリティと言えば、潜水艦と、その乗組員の設定でしょうか。あらすじでも述べているので、こちらでも書きますが、どうやら、海の中と地上とでは、全然時間の流れが違うそうです。よって、ウン百年前の人も元気に生きているから……というところで、その設定ですよ。気付いたときは、「あ!」と思いましたね。
第13回角川つばさ文庫小説賞の規定のためなのか、ものすごくいいところで物語が終わってしまうのが、物足りなく感じます。それくらいに、面白くて、興味の引かれるお話でした。
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