野森ちえこ「いつまでも輝く母へ」


・野森ちえこ「いつまでも輝く母へ」

https://kakuyomu.jp/works/16818093076540816883


 「ぼく」が物心ついた時から歪だった「母」との関係。二人はお互いに無関心な状態に慣れ切っていたのだが……。一組の親子関係から、こちらへ様々な問いかけが見えてくるショートショート。

 野森さんは、名前を変える以前より二〇一八年度同題異話・一月号「貧乏くじ男、東奔西走」よりコンスタントに参加していただいてます。現代ドラマ、時々現代ファンタジーが中心で、現代社会のマイノリティ側の気持ちを細かく書いているという印象があります。


 本作も、始まりから歪としか言いようがない母子関係が描かれています。どうしてそうなったのかについての描写は殆どないのですが、なんとなく察して、また薄ら寒くなります。

 ショートショートと紹介しましたが、本作は千文字以内です。それでいて、こちらの心を何度も揺さぶり、価値観までもがくがく震えさせます。もしかしたら、彼らを「歪」と言ってしまえるのは、こちらが「正しい」からかもしれない……そんな悲しさも抱きました。




















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る