短編

もる!

・・・てください

 俺は、ここを歩くのが大好きだった。

 多少暗いが、まあ大丈夫。ライト持ってるし。

 すると、街灯に照らされた女性が。

 前髪で顔が見えない。

 ちょっと心配になりつつも横を通りすぎると。

「・・・てください・・・てください」

「?え?なんて言いました?もっかい言ってください」

「・・・てください・・・てください」

「何をしてほしいんですか?」

 俺は体を女性へと近づける。

「・・・てください!!!!!!!!」

 女性の手が・・・俺の肩をガシッとつかむ・・・と思いきや、掴まれなかった。

 そう、女性には右腕がなかった。

「・・・てください!手、ください!」

「あの人は、手くださいと言っていたのだ。

と、ここまでかな。俺がおぼえているのは。

「あの人に腕を両方持って行かれたんだ。て言うことで、手を取り戻したいから、手、ください」

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短編 もる! @noshirika

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