【031】真世界のはじまりの終わり
「――うん。今日の日記は終わりだな」
帰宅した砂月は、家のリビングで、手帳兼日記帳を開き、ギルド同盟のことを記した。実は生産品でこの手帳兼日記帳を見つけてから、これまで使う機会を探していたのだが、本日が相応しい気がし、静森との待ち合わせを手帳欄に、そして話し合った結果を日記欄に、こちらも生産品のアイテムであるボールペンで記入した。
日記をつけ始めて、ふと思う。
「あとで振り返った時に、ここがはじまりの終わり、なんてなったりしてな」
笑ってみる。
実際、昨日までの整理されていない流れていく白紙の日々もあったのだが、それは一応、一旦終わりだ。今日を境に、日記になる新しい日々も始まる。日記に飽きたら、その時は第二の白紙の日々の始まりとしていいだろう。
「これから、どうなるんだろうな?」
少しネガティブになった時もあったが、改めて考えればやはり新しく始まった日々は、分からないことだらけで、刺激に満ちているというのは間違いない。
「明日が楽しみ、だな、やっぱり」
そう考えながら、日記兼手帳を閉じ、砂月は立ち上がる。
向かった先は寝室だ。
ベッドに横になり、毛布を被る。
「新しい明日も、幸せだといいなぁ」
そんな事を呟いた砂月は、いつの間にか、睡魔に呑まれたのだった。
ゾディアックの星灯り ~MMORPG世界に一方通行集団転移(転生)~ 水鳴諒 @mizunariryou
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