キャットウォーク
菜月 夕
第1話
田舎の道を歩いていると、ふと野原にけもの道の様な踏み分け道があった。
なんの気なしにその道に入って行った。
少し歩くと向こうから猫が歩いて来る。そうか、ここは猫の道だったのか。
猫と目が合うと、ふいに周りの草むらが下がって行き、私は細いキャットウォークの上に居るような感覚に囚われて思わずしゃがみこんでしまった。
猫は急に大きくなり、そんな私を跨ぎ越して行った。
何とか元の道に帰り、その話をちょうど出逢った友人に話し始めた。
「それは猫に騙されたな。
そう言う時はこうするんだよ」
そう言うなり、彼は目の前で両手をパチンと打ち鳴らした。
「そうやって人を騙す猫が良く居るんだよな」
そう言って彼は私の首を捕まえて持ち上げた。
私はニャアと啼くだけだった。
キャットウォーク 菜月 夕 @kaicho_oba
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