最終話
深黒青は洗面の鏡を見た。
家族も守れない、死に損ないの顔があった。家族をその手で殺した人でなしの顔があった。
ポケットからナイフを取り出すと、喉を掻き切った。
血が首元から滝のように流れ、深黒の体は前のめりに倒れた。
やっと逝けると薄れる意識の中で思った。
だが、次の瞬間には元の状態に戻っていた。
流れた血も切った傷も消えていた。最初から何もなかったかのように。
深黒は瞳に憎悪を映してから、拳で鏡を殴った。破片がバラバラになった。鏡の自分もバラバラになっていた。
バラバラの自分が何故涙を流していたのか、深黒は理解出来なかった。
深黒の死 影冬樹 @kagefuyuki
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