美しい月と哀しき女と黯い森……待ち受けるは黒き諧謔の魔神

目の前にありありと、月夜の森が浮かんでくるような美麗なる文。
その中を、暗い輝きをはなって舞う、女の哀しみ。

しかしながら、かの神は、憐れみも、惜しみも示さず、哄笑とともにそれらすべてを踏み潰す。
それこそが、詩情と闇黒と悲喜劇とに満ちた、かのクラーク・アシュトン・スミスの宇宙を体現する魔神・ツァトッグア。