第16話 エピローグ
あの配信から数日が過ぎた日の朝──
「おはよう!」
オレはオタク仲間に声をかけ、
いつも通り教室へ入った。
鼻を突く汗と制汗剤のニオイ。
楽しく談笑する何組ものグループ。
そんな、どこか気だるげな喧騒。
でもそんな日常が全て愛おしい、今となっては。
窓際の席に着くオレ。すると同時に、
「よっす! お前も観たろ? 竹刀手ボコと夢丘ナエのコラボ配信!」
親友(女友達)が訊いてくる。
「相変わらず面白いよな! でも、なんてゆーか、デスゲーム配信から一皮剥けたって言うか? とにかく、いつにも増して元気だしさ!」
「そんなこと言ったら、詩歌も元気そうだよな?」
オレは、昨日観たアーカイブのことを思い出す。
清楚な中に少しの暴言が入る、不思議な配信内容。
以前は薬で衝動を抑えていたが、
今はたまに素を出す配信もやってるらしい。
「確かに詩歌もオモロいよな〜!」
激しく頷く親友。
すると、何かを思い出したかのように手を叩いた。
「そういえばお前知ってるか? 最近知ったVtuberなんだけどさ! ゲームがめちゃくちゃ上手くて! でも何故か、マイナーゲームばっかりやり込んでんだよなww」
ゲラゲラと一人でに笑う親友。
オレはそれに苦笑いで応えた。
「確か名前は──」
チャンネル登録者数24,000人。
S N Sフォロワー16,000人。
今、ネットを騒がせる有名Vtuberとはオレのことだった。
まだ詩歌や妹たちよりは少ない数だけど、
でも、
いずれ追い越して見せるさ。
だってオレは約束したから、
ゲームプレイでみんなに勇気を与えるって。
DEATH V FIVE カレラ🧀 @MozzarellaKanda
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