小説における『二重鉤括弧』の使い方
二重の鉤括弧を使うことがあるだろうか?
よくタイトルとか作品名などに使われる『 』だ。
強調するときにも使われる。強調するだけなら「 」でも良いとは思うが、『 』を使いたい気分の時もあるだろう(笑)
筆者は原則として小説のタイトルに『 』を使っている。
この二重鉤括弧、小説の中ではどのように使われているだろうか?
1.単語の強調
2.入れ子
鉤括弧「 」の中にさらに「 」をつける引用セリフや強調したい単語があるときに、「 」の代わりに『 』を使うようだ。
実は学校ではセリフの中にセリフが入れ子になるときに二重鉤括弧にするように教えている。
『新編浮雲』の第三編では二重鉤括弧『 』が登場している。すでに明治20年代に『 』は使われていた。それもセリフの中にセリフが入れ子になっているケースだ。
https://kakuyomu.jp/users/hakusuya/news/16818093075914201580
「 」内に「 」を入れるときに『 』にするのはよくある。筆者も原則そのようにしている。しかし「 」内にたくさん『 』が並ぶと何となくうっとうしい。それを嫌い、「 」内でも「 」にする人は多いだろう。
夏目漱石『こころ』では、「先生」が「私」と名乗って独白する部分(手紙)が最後にある。その部分は章ごとに書き始めは鉤括弧つきで始まるが、その中に誰かのセリフが出てくるとき、二重鉤括弧『 』ではなく、通常の鉤括弧「 」を使っている。しかもその独白には終わり鉤括弧がない。このこと(終わり鉤括弧を省略する場合)については別のエピソードで改めて語ることにしよう。
【追記】 4月27日
『二重鉤括弧』の使い方として、電話音声や録音音声など特殊な会話発言に使うことがある。
「もしもし、佐藤?」
『なんだ? 鈴木』
「実は会って話がしたいのだが……」
『別に構わないが……』
と例を挙げてみたが、鈴木視点で、鈴木がいる場から佐藤へ電話連絡をしているケース。
鈴木視点で、鈴木の発言は「 」、相手方の佐藤は鈴木からは見えず、声しか聞こえない。その佐藤の発言は『 』で示す、といった具合だ。
両方を『 』にすることもあるだろう。音声だけの会話だ。
他にも録音されたメッセージ、変声器を使った発言なども『 』を使うこともあるだろう。
SNSメッセージも『 』を使うことがあるのではないか。
ひとそれぞれと思うが、メールなどの会話はどのような括弧を使っているだろうか?
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