今宵を使って
―
時間は夜。
家のなかの一室では。
その三人とは。
そして同部屋には。
わずかなあかりも、ついていた。
眠っている者たちを横目に。
なにやら小声で話し合っている人影が三つ。
ひとりは、右のこぶしを右のほおにあてがっている。
彼女は、
「……
今晩のうちに、わたしたち
わたしも
寝る前に最低限のことは把握しておきたい」
「なるほど今宵をそう使いますか」
そのかたちは、縦に長い。
こちらは、
そして。
三つのうちの最後の人影が。
その息は、
ともかく
まずは
「
実際の文面がどうだったかは分からない。
それに同封したとかいう、そとの人たち向けの手紙に関しても」
「いえ」
「筆頭は、わたしだけでなく誰にも見せていないでしょうね。
じかに目をとおしているのは現状、筆頭と、ちゅーうの。
ふたりだけかと」
「そうだろうな。
まあ秘密を守るためには当然の処置だから、それでいいんだが。
あと、同封した手紙を『世界一えらいやつ』に渡すよう
なんだその『世界一えらいやつ』って」
「分かりかねます。
そもそも人は、みんなえらいと思いますがね」
当の
「そもそもわたしは、ただの祝意を伝える手紙だと思ってたんですけどね。
あ、そうそう。
ちゅーうへの追加の手紙の件ですが。
……はい、ぶくほが届けてくれることになったやつです。
筆頭がそれを出すと決めたのは、
さらに翌日、筆頭はふたりきりで
「そのときに、あの道場を会談場所にすることにしたのか。
ぜーちゃんも複雑だろうに」
「ちなみに
当然と言えばそうですよね、
湿り気の多いあの地に紙を持ち込んだら。
ふやけちゃいますからね。
手紙を用意するなら、そこを出てからでしょう。
たぶん、あした起きてから書くと思います」
とくに
鼻孔からゆっくり息を出す。
「ほんと
情報共有が円滑になる。
ともかく手紙についての確認は、こんなものだろう。
あとは改めて
わたしたち
「……
それじゃあ、かいつまんで」
―
「……まず
それを受け、
翌日は移動なし。
ぜーちゃんと話し合う。
ついでに
三日目は
きょうになって、
途中でわたしと合流し、そのまま一緒に我が家に着き、いまに至ると」
それに対して
「なお一連の移動の主目的は、うちの……
確かに現状うちの筆頭にも早く
探すなら同じ筆頭である
しかし
まあ
丈もそんなに高くない草ばっかりで、隠れるところもないし……。
一方、平行して進めている情報共有は順調。
わたしたち
規模の面から考えて、
だから
むしろ、そういう時間も適度に必要だろう。
とはいえ
その不確定要素を考慮してのことと思われるな」
―
こうして
次に、情報共有の進捗をまとめる。
いま彼女たち
当然、
「話を聞く限り、今回の件をすでに知っているのは。
わたしたち二十四人のうち……。
それを知らされた
手紙をもらった
うちの筆頭への伝言を頼まれたという、ぜーちゃん。
いまわたしの家にいる、
現在ここにいない
そして。
「はい、そう言ってました。
必要と思ったらうちの三女さんに伝達してくれと筆頭は眠り姉に……うちの姉に頼んだようです」
「そうか、じゃあ
……
「
「
「
軽快に答えていく
また、
「それとですね、筆頭は
直接、
まあ
「……へえ」
すぐに気を落ち着け。
まだ確認していないことについて
「ところで
彼女たちの妹の
ずっと
浮かんでいる。
ともかく。
「そろそろ会いにいきます」
「……つまり今回の件をまだ知らないのは」
「
うちの筆頭だけだな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます