意味とかたちがあるならば
―
思われる者たる
彼女が終わり始めたことを知った、
自分たち
その現状について情報共有を図るべく。
付き人の
現在は居場所が分からない、
もちろん。
情報共有だけでなく、今後どう動くべきかも考えなければならない。
手始めに
妹の
そして。
いま
そのとき。
こんなことを口走った。
(わたしたちって、滅びるの?)
(うん滅びるよ)
と迷わず言った。
ここで。
そのやりとりを聞いていた
大声をあげた。
「
自分の名前を呼ばれた当人は。
家にあがろうとしていた、その足をとめた。
彼女のそばについていた
ふたりの視界を確保すべく、その身を
当の
玄関口の
そのとき
そこに
彼女が、寝返りを。
うったのだ。
声を抑える。
「……
なにを頼んだ。
わたしたちの終わりを、回避するためじゃないのか」
「ある意味ではそうだな」
「あいつに頼んだのは、ふたつ。
その際、同封した手紙を世界一えらいやつに渡すこと。
そしてわたしは
同封した手紙には、そとのやつらと会談するむねも書いてあってな。
でも会談場所については言及していなかったから……。
『その場所に
ここで
だがその視線は、相手に向けられたままだった。
「
これまでの
そとのやつらと正面から向き合う場面が、遅かれ早かれやってくる。
そういう意味では、わたしたちは確実にひとつの終焉を迎える。
だからやるべきは、その終わりを無理に回避しようとすることじゃない。
その終わりに、どんなかたちを与え。
どんな意味を持たせるか。
……その答えをわたしたち自身の手で、つかむことだと思う」
体勢を崩している彼女を見て、
(体力なんてないくせに……
「わたしは『滅びる』と決め付けるその言い方に納得していない。
でもそれが、いい加減な思いから出た言葉じゃないとも……分かったよ」
それから
直後、小さな声で付け加える。
「さっきは急に大声を出してしまって、すまなかった」
―
「
一方の
「なあに、
「さきほど『わたしたちって、滅びるの?』と言ってましたが。
その『わたしたち』って、
どうも気になって、こんなこと聞くんですけど」
確かに
その地を守る姉妹の三女……
「
でも
この瞬間、
つま先立ちになって、顔を
「全滅するのは……
―
なにか言おうとした
彼女は、それを押しとどめ。
その後、
横になっている
「すみません、歩きも慣れてきたと思ったんですけど」
対して
「……いいんだ。
三日前から歩いてたんだろ」
―
「おとといは
ところで、うちの次女さんは帰ったんですか」
すでに眠った
かたや
「
あした
「道理で、きょう都合よく
そのとき
だからといって。
わたしたちが
できすぎた偶然でしたからね、気になってたんですよ。
あわよくば
それと。
くずゆかの不在も、うちの次女さんの予想によってですか」
本来なら現在、彼女は
どうやら、いまは
彼女は、ある理由から
「筆頭が来るかもって、うちの次女さんが言ったから。
確証がないとはいえ、くずゆかは筆頭と顔を合わせないように
「そうですよ」
ここで
その家のゆかに座りながら、ここまで
名は、
―
さて。
もう夜だ。
気付けば昼は終わり。
家の窓から、そとを覗いても。
入ってくるのは闇ばかりである。
寝息を立てているのは三人。
起きているのも三人。
最低限のあかりをともし。
ひざを突き合わせ、静かに話す。
まず
「筆頭は、ちゅーうに追加の手紙を渡したいようですが、どうします」
「いま姉さんは、そとですからね。
居場所を探るのは、なかなか難しいでしょう。
ですので。
わたくし
しかしその前に現状を正確に把握したいと思います。
今宵を使って……」
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