水に囲まれ生きる人
「……じゃ、わたし帰るね」
確かに
とはいえ、あしたは
よって
「姉さんには、うまく言うつもり」
いま
「それと
「あした、むろつみがここに来るから道案内してもらって」
そう言って去りかける
しかし彼女を
「待って」
さらに噴き上げる水が、ぴくりぴくりと震える。
「
ともあれ
最初に手をつっこんだとき彼女は、なにも持っていなかったが……今度は、なにかを手に引っかけている。
濡れた彼女の二本の指に別の人間の指が引っかかっていた。
その人間の手首、ひじ、肩が順に現れ、最後に足が地面の小石の上におりる。
水の柱のなかに潜んでいた彼女は、
彼女こそが
姉の
それをふわりとほどいて
指で字を書いたのだ。
それは簡単な一文だった。
(あっちで話そう)
そして
三人の
噴水や、その周辺を敷き詰めていた小石や、さわやかな冷気は消え失せて……巨大な植物とべとべとした空気に囲まれた場所にふたりは立つ。
というのも
別に
そんな
「
「そう……つまりお姉さんも、少なくともわたしが訪れることは聞いていたわけだ」
しかし
思う者たる
とすれば、そのなかでも特別な「みこ」として
しかし
むしろ
つまり
だから会えた。
矛盾を含むような理屈ではあっても
ともあれ
お互い、どこにも座らず、あたりの植物に寄っかかることもなく、立って向かい合ったままだ。
「さびしい?」
さきほどまで水の柱にいたためか、
それがあたりの湿り気を吸い、重くなり、
一回
「乾かしてよ」
吐き捨てるようなその言葉を聞いた
その手の人差し指と薬指を立て、
「そういう意味じゃないよ。でも、ありがとう」
* *
そんな調子で
こんな会話をしていた。
「
それが気になったらしい。
問われた
「無愛想な返答は、疲れのためでしょう。でも話せるだけマシだとは思います」
と答えた。
「
「ここ湿り気が多いだろ。泉に沈んで瞑想している感があって、居心地いいんだよな」
座ったまま、説明する
事情を聞いて、
(筆頭も頑張っている。ワタシも変に追及するのは、やめよう)
* *
また時間は経過し……
「
そう言って歩いてくる。
「なにを話したの」
と
「乾かしたの」
と
彼女は姉の
その際、
「筆頭。
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