最奥/まるで鏡を見るように
奥に進むほど湿り気は強くなり、植物たちの大きさも増していく。
計画としては――まず、その最奥でいったん休んで
平行して、
「……全身がすごく、べとべとするな」
「植物も、これ以上ないくらい
そんなふたりに
「それは、あと少しってことだからね。もうひと
彼女の言葉どおり、困難な道はじきに
さきほどまで
それこそ
そこに肥大した植物はなく、
ここが、この地の最奥。
ここを中心に、特別な
「やっと最奥に着いたな」
「ですね筆頭。出てます、出てます」
そう答えたのは
――
そもそも、なぜ
……この噴水のせいである。
そのため、中心にあるものがよく分かる。
地面は小石でうめつくされ、そのような場所の中央から地下水が途切れることなく天に向かって飛び出している。
水は天上にて八方に
加えて、地下水の
それは
流動する水に
そして噴水のそばに、たたずむ者がいる。
彼女こそ、「みこ」とも呼ばれる
「お姉さーん」
「
ここに足を踏み入れた時点で
ところで
噴水のそばにいる
なお映った像は小石など、あたりの風景も
聞こえてくる声に限らず、噴水の柱の表面に映る情報も加味して
だが、それだけではなく水の柱の
そんな
ともあれ
* *
三人の
「――そう、
「
そう
「必要と思ったら今回の件を
「いまは各地のみんなと情報共有を図りながら、折悪しく消えてしまった
「
その視線は、噴水の表面に映った
ひととおり話を聞いたあと
なにかをつかむ仕草をする。
「筆頭」
「なに」
噴水に映った像のほうでなく、
かたや
「ワタシは平和を信じていなかった」
この「平和」とは、
「つまり?」
「今回のことは、そとの者たちのおかげ」
……確かに
もし世界が平和になるとき
しかし彼女自身が平和を信じず「その未来は実現する」と思っていなかったならば、平和は
もちろんその仮説は、ほかの
なお
この違いは「思う者」たる
しかし
「あっそ」
* *
そして
やはり直接相手の顔を見ているのではなく、水の柱の像から像に、視線を移したのである。
「
「うん、全部かは知らないけど」
「そう……」
そのとき、水の柱に映り込んでいる
それだけで
「……お姉さん、姉さんのこと心配してるでしょ」
ついで水の柱に差し込まれた
実は
そこに
手の持ち主は、
その名を
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