第二章「『みこ』と呼ばれる者たち」
その「みこ」の住む場所/案内役
次は、
長女の
名字ひとつにつき姉妹が三人ずつ存在する。
ただし
すなわち
そして、ほかの
たとえば
なぜ「みこ」ではなく「ふじょ」と言うのか。
それは、
なお
彼女たち
事実、「みこ」と呼ばれてもおかしくない者たちだ。
しかし「みこ」とは具体的になにか――それはまだ説明する段階にない。
だからいまは、なにより「思う者」たる
さて、そんな彼女たちの守る地は当然ながら
足を踏み入れた
見回せば、上下左右前後……どの方向にも植物が
生長というよりは
* *
「迷いました」
植物と植物のあいだを何回も
「やっぱりか」
その
「おまえ何回ここ来たことある?」
ここ――すなわち
たとえば
しかし
なお
ともあれ
「数えてませんよ」
と答えた。
「わたしもだ」
果たしてそれは、数える必要もないほど
なんにせよ、そんな調子で植物のあいだをさまよう
ここで彼女たちの前に、
それは、ひとりの
「げーちゃん、
湿った空気に
「あ、
どうやら近くの植物から、もいだ葉っぱらしい。
彼女が葉っぱをすべらせるたび、髪がしっとり
「……『なんでこいつが、ここに』って顔だね、
そこでは「ぜーちゃん」こと
どうやら
そして
さらに
方向感覚を狂わせてくる
ちなみに
しかし
深夜というより未明の時間帯のころであった。
その前に
(あしたはわたしが
「――というわけ。本当は
「え、その話からするとおまえ……」
「……家出してたの?」
「なんで、そうなるのさ」
「なんとなく、そう思って……ごめん」
「別にいいよ」
「そもそも、どうして
「
それから
なにかがぽろっと落ちるように思われて、やってきたと。
「それで、ぜーちゃんが道場を休んだことに気付いて
さすがに「
「てかおまえと
「え、ほんと? りゅーちゃんもぜーちゃんも分かってたんだけど」
ちなみに
かわいいものであるし、もともと
「もしかして、わたしだけが知らなかったりして」
「そうかも」
ついで、
「げーちゃん気付いてた?」
「妹さんのほうなら」
「直接見たわけじゃないですけど、紙をこする
* *
植物たちのあふれさせる水気の量も多くなり、その肥大ぶりに
空気自体がべっとりしていて、肌に吹く
だがそれは、最奥までの
もうすぐ抜ける。
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