静かに震える
―
「なるほど。
復唱するかのように
対して
そして
案内されたのは、その一室。
(ここわたしたちの屋敷なんだが、
……という気持ちを抑えつつ
すると
「あ、ぜーちゃん。
わたしら……さっき来たとこなんだけど……見たところ……。
できれば
そんな疲れた様子の
「その前に休んでください」
―
間もなく
そのそばに、
「久しぶりに長く歩いたから疲れたんですよ、あとはわたしが見ておきますので」
そんな
「わたしもついておこうか」
「お気持ちだけで」
「分かった。
あしたは道場、休みにするから」
「え、
「いいんだ
それに運動音痴の
そこに重大な意味を感じ取れないほどわたしは鈍感ではないよ」
―
そして夜も更ける。
暗闇のなか、
その時間帯にて。
ひとつの小さな影が動いた。
もちろん、それは
影は紙と、筆のようなものを取り出した。
なにやら絵をかいているらしい。
それも
紙をこする音はまあまあ大きいのに、なぜかふたりが起きることはない。
むしろ眠りが深くなっていく。
かたや絵に夢中になっている小さな影。
その正体は誰か。
無論、
いま
小さな影を持つ彼女の名前は……
―
朝。
なんにせよ
そのときには、すでに
体を丸め、じっとしていた。
奇妙な姿勢を目にした
「筆頭、具合が悪いなら……」
「おはよう
「あ、おはようございます」
しかし
「やっぱ泉じゃないと瞑想できないな」
泉に沈んでの瞑想は
本来、自身の精神を安定させるため毎日それをやっている彼女。
その瞑想ができなければ、調子が狂ってしまうのだ。
「息が続く。
呼吸をとめようとしても」
どうやら、息をとめることが彼女の瞑想において大切なことらしい。
―
部屋の戸があいた。
「おはようですね、ご両人」
あいさつと共に現れたのは、
きのう姉に代わって
だが心なしか、きのうから
「ごはん食べます?」
―
ややひきつった笑顔を見せ、
そして食事を持ってくる。
「
「いやあ、ただの一汁一菜ですよ」
「最近は師匠に料理も習っていて」
そんな彼女を
気持ちを察し、
「そりゃうまくなるわけだ。
頑張ってんね」
―
「ごちそうさま。
さてこれから、ぜーちゃんと話してくるから」
そう言い残して
部屋には、
それを
お礼を述べ、少し逡巡し、
「
「なにがです」
きょとんとする
頼もしいと言えば頼もしいが、のんきと言えばのんきである。
やや目をそらしつつ
「だって
つまり……。
……わたしたち、もう思われなくなっちゃうだろ。
―
「分かりませんね。
そもそもわたしは思う者……
同じ
「そうだけど……。
なんか怖くって」
もちろん
そんな
「
うちの筆頭が
……
確かに、本当に世界平和が訪れるなら歓迎すべきとは言える。
とはいえめでたいことが事実だとしても、少なくとも
逆にそのめでたさが、不可避の未来を後押しする感もある。
下手したら励ますどころか逆効果にもなりそうだった。
だが自分のことを思ってくれる
加えて楽観的とは異なる、大きな視点が
「やっぱり頼もしい」
からの食器をまとめて部屋から持っていくふたり。
廊下で
「
ねーちゃんと
「……聞き耳を立ててみましたが、分かりませんでした」
その返答を聞いて、
呼吸を整えたあとも、
「きっと『終わり』について。
いや、『終わり方』について話してるんじゃないかな」
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