最後に向けて最初にやること
―
水面に顔を出した直後と比べ、呼吸はだいぶ落ち着いている。
泉の近くに構えてある屋敷で、濡れた衣装を取り替える。
そして手紙を書き始めた。
―
内容の一部を抜粋すると次のとおりになる。
……それで
次で
わたしからの指示はふたつ。
一、
二、この手紙につつんであるもうひとつの手紙を世界一えらいやつに……。
―
書き終えた手紙に封をして、
「きみー、いるー?」
「なにかな、お姉ちゃん!」
反応が即座に返ってきた。
返事をしたのは
だが姿はみえない。
彼女は遠くから大声を返したのだ。
―
大きな返事から時を経ずして、
「どうしたの、
さっき
「それについて、
「……いいよ、仕事だもの」
―
そして姉に背を向け、屋敷から出ていく。
その際、ある言葉を口にする。
「
誰に言ったのか。
玄関のすぐそとに正座していた人影に言ったのだ。
その影の持ち主も、
名は、
にぶく小さい
―
それを確認し、ゆっくりと
彼女は地面へとじかに正座していた。
だからふたつのはぎに多くの小石が貼り付いていた。
歩くたび、小石がひとつずつ落ちる。
その都度、薄赤いくぼみが現れる。
―
とはいえ本人はすぐに見つかった。
「筆頭。
次女さんからよろしくって言われたから来たんですけど、なんかお手伝いでもしましょうか」
「
ありがと……だったら遠慮なく。
これから
ちょっと重大なことが起こりつつあってな。
それについて。
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