おまけ掌編【ある日の伝達術データ】
――十月二十七日。
好奇心で思考を見るもんじゃないな。姉妹に詰め寄っていたあの豚みたいな男、中々下卑た事考えてやがった。見返りに女の体を求めるって。しかもこんな子どもの……理解に苦しむ。二十も十五も、人の子でも子ども扱いだったよな? まぁ何にせよ、しばらく扱いに気をつけないとな。男にトラウマ持ってるかもしれない。ローブァイト、お前も気を付けろよ。
――十月二十八日。
昨日の男然り、女もロクな事考えねぇな。自分の事を好いてる男を利用していい思いするなんて、どうして思いつくんだ? まぁ、ある意味人の子らしいとも言えるか。弟の方は甦生したばかりだから、扱い気を付けろ。あと、兄と姉妹と接触する時はよく様子見とけ。兄だが、あぁなったらもう女への嫌悪感は拭えない。まぁ弟とあのちびっこいのがいれば余程取り乱す事はないだろうが。気にかけておけよ。
――十月二十九日。
死にたくないと聞こえたから行ってみたら、俺はこんなに病弱な奴は初めてみたぞ。ローブァイト、今日の奴に関しては精神面より体が大丈夫か気にかけておけよ。契約で大分良くなったはずだが、体が弱い事に変わりないからな。それにしても、出てきた質問が「友達が出来るか」なんてな。余程、寂しかったんだろう。その点も、よく面倒見といてくれ。
――十月三十日。
ローブァイト、お前も気付いていると思うが、今回の奴は人の子じゃない。あの優雷の心の存在だ。他の奴と契約内容が違う、協力契約だ。一応覚えておけ。あと、マジで扱い気を付けろよ。お前に限って壊すような刺激する事はないだろうが、あの心は他より大分複雑だ。優雷は、親父も珍しく気に入ってる人の子だ。俺も極力気にかけておくがくれぐれも壊さないように。他の奴等と仲良く出来ると良いが……。
――十月三十一日。
驚いたか? 俺も驚いたんだ。まさか光の子の集落があるなんて思ってなかった。今日連れてきた奴なんだが、父も光の子みたいでな。人の子でありながらディア達に仕えていたみたいだぞ。勿体ないよな、そんな奴が殺されるなんて。ディアは何をしてんだ? まぁ、何だって良いが。取り残された息子がどうしたらいいか何も分かってなかったから、とりあえず契約してきたんだ。ま、文句言われたらその時はその時だ。
追伸―お前少しは返事寄越せ。
返答―一々術飛ばすのは面倒なんだよ。全ての返答は「承知しました」だ。
返答の返答―妙なとこで堅いくせに、こんくらいでめんどくさがるなよ……。まぁ読んでるならいい。頼んだぞ。
マジカル! ダサ・キラ 物語創作者□紅創花優雷 @kuresouka
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。マジカル! ダサ・キラの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます