③好きなとこ

p166の6行目

「安心は人を愚かにし、不安は人を賢くする。賢くなれ、丹羽長秀。」

秀吉の心内語ですね。


長秀は秀吉に言いくるめられ、

彼の筋書きの合理性をとるか、

長年の勝家との友情をとるかで揺れる長秀に

「早く寝返れ!」とは言わない心情です。


それは自分につかない訳がない

という完璧な計画への自負でありますが、

長秀の決断を揺らしに揺らすことで

新しい時代に必要な物を取捨する思考を

身につけさせようとしてるのも本心ですよ。


それにしても、

かなり真理をついた一文です。


安心は人を愚かにする。

愚かさは人を安心させる。


不安は人を賢くさせる。

賢さは人を不安にさせる。


危機管理センサーが敏感すぎて 

鎌倉中を不安の渦にくるんだのが

今の鎌倉殿の13人なんですね。


ではここで2つ目

p268 5行目

「私は川が大嫌い。戦で亡くなった人たちが、川上から流れて来るのを、子どもの頃から何度も見ている。私にとって、川は不吉の象徴」


松姫の心情です。

計算通りに三法師が跡取りに決まって

してやったりという気持ちを書いてます。


まあ、秀吉はうまくやっちゃいますけどね。


川が不吉の象徴という文言には

三谷幸喜本人の意思を感じます。


ちょうど八重さんが死んだ回を見てたので

すっごい引っかかったんです。


これは三谷先生のなかでお約束なのかも。

川は不吉の象徴、死のシンボル。

趣味悪いわぁ。


では、今回はここまで。

力尽きました。


ご読了ありがとう。

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三谷幸喜 「清洲会議」 感想 Athhissya @Ahhissya

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