天使のパンツ。

最終話：はじまりは、たこ焼き屋の前のベンチ。

「本当にごめん・・・僕を許せないよね」

「うん、許せない、今更謝ってもらっても・・・」

「困ったな・・」

「ちっとも困らないよ、次野君」

「え？どう言うこと？」

「もういいよ・・・私と次野君のこと、もうどっちでもいいから」

「あのね、付き合ってくれてもくれなくても、もうこと興味なく

なっちゃったから、私」

「え・・・まじで？」

「愛川に軽蔑される思って覚悟してなんだけど、どんなに罵（ののし）られても

しかないかなって思って・・・」

「あのね、私、次野君のことより、キューティクルちゃんに興味津々なの」

「は？・・・」

「え・・・・私にですか？」

「そう、あなたに・・・だって天使でしょ？」

「天使なんて滅多のお目にかかれないでしょ？」

「だから〜次野君が私と別れたいって言うならいいよ、別れてあげるから」

「その変わり・・・私、時々キューティクルちゃん会いに来るからね」

「それでいいよね、次野君」

「あ、ああ・・・いいけど」

「意外ともめることなくあっさり終わったな・・・」

「あのさ・・・愛川って・・・もしかして・・・GLとか？」

「違うわよ・・・そうじゃなくても天使ってだけで興味そそられるでしょ？」

「まあ、たしかにね」

「これからは、私たちは友達・・・仲良くしてくれる？キューティクルちゃん」

「あ、はい・・・私でよければ」

「バンちゃん、なんか思わぬ展開になっちゃったね」

「まあ、いいんじゃないか？修羅場になるよりはさ・・・」

なんだ拍子抜け・・・結局、丸く収まったんだ。

僕は胸をなでおろした。

てな訳で、愛川はヒマがあったら僕の家に入り浸るようになった。

まあ、それはそれでいいんだけど、迷惑って言うか・・・愛川があまり

キューティクルちゃんにベッタリだと僕がキューティクルちゃんとラブラブ

する時間が減っちゃうから・・・。

結局キューティクルちゃんは天国には帰らないことになった。

よかったよ・・・一安心。

僕の彼女は天使。

はじまりは、たこ焼き屋の前のベンチ。

彼女のパンツを拾って帰ったことがきかっけで僕の素敵なパートナー

になった。

実は彼女は天国の神様に地上に好きな人ができたから、その人の元で

暮らしたいってお願いしたんだそうだ。

そしたら神様は快く承諾してくれたんだって。

よかったね、僕、

僕は朝、キュティクルちゃんの愛情こもったハグとチューをしてもらって

学校で出かけていく。

で、お帰りなさいとそしておやすみのハグとキス・・ふたりのルーティーン。

愛の証。

今回のことはひとつの出来事にしかすぎない。

そして僕も二度と同じ過ちは犯さない。

僕とキューティクルちゃんの未来には、まだまださまざまな出来事が待ち

構えてるに違いない。

キューティクルちゃんとの幸せで楽しい日々の中で僕はたこ焼き屋さんの

前のベンチにだけは二度と座らない。

だって、もしまたパンツが降って来たら困るでしょ？

おしまい。