エピローグ

 私は学校に戻らず、家へと戻った。

 すぐに自室にいってたまにしか書かない日記帳を開く。


 幸い、母さんは仕事に出ていたので何も説明せずにすんだ。

 記憶が捏造されれば、この数日間の出来事はどう補完されるのだろうか。母さんにどう話すかなんてもはや、考える必要はないのかもしれない。


 それを観測できるのは数時間後、もしくは数分後の私ということになる。

 書かなければいけない。残さなければいけない。

 

 この数日で起こったこと。

 そして、その責任と罪と罰の話だ。

 

 書き出しは決まっている。

 一呼吸を置いて、私はペンを持った。



 これは私、朝宮清佳の手記だ。

 

                 [了]

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代償 名月 遙 @tsukiharu

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