「テリファー0」(2013)

 あの連続殺人ピエロ「アート・ザ・クラウン」の初登場作品。あやしいVHSの映像を、登場人物がみているという体裁のストーリーになっていてる。映像はチープながらも、「テリファーシリーズ」の基本フォーマットはすでにここに完成しており、斬新な恐怖が味わえる。


 邦題では「ゼロ」という数字が冠されているが、原題は「All Hallows' Eve」。 英語版Wikipediaによると、「The 9th Circle」「Terrifier」といった短編を組み合わせたもので、テリファーシリーズと関連はあるものの、シリーズ作品そのものではないため、「アート」メインの作品ではないことに注意が必要だ。


 ハロウィンの夜、居間にあつまっているのはベビーシッターのバーバラ、幼い姉のティアと弟のティミー。

 キャンディーバッグのなかには、お菓子に紛れて、ラベルの貼られていない怪しいVHSが紛れ込んでいた。ティミーもティアも中を見たいといい、好奇心に負けたバーバラはVHSを再生する……。

 ※下記タイトルはWikipediaからの引用による。



「The 9th Circle」

 駅で電車を待っていたキャシーがあやしいピエロの男にからまれる。ラッパをプープーならし、からかってくる姿は紛れもなくアート・ザ・クラウン。※この頃は予算がなかったのか、衣装がちょっと貧相。

 キャシーは無視しようとするが、アートに捕まってしまう。

 意識を冷ましたキャリーは、薄暗い部屋の中で、太い鎖に首をつながれていた……。


:最後に出てくる異形の存在はアートの真の姿?

 テリファーシリーズの真骨頂がここにうかがえる。



「Something in the Dark」

 芸術家の男性と暮らしているキャロライン。停電になったあとに、雷が落ちるような大きな音に見舞われる。

 なにがあったんだ?

 キャロラインは家の中に何者かの気配を感じる。


:アートととはちがった異形の存在が現れる。

 こちらはこちらでこだわり抜かれたクリーチャー造形を感じる。

 


「Terrifier」

 真夜中に車を運転していた女性。たまたま見つけたガソリンスタンドに車を停める。店員に道を聞いてたところ、ガソリンスタンドの建物内からなにやら異音が聞こえてくる。さっき店員と揉めていたピエロの男かもしれない。店員は話を途中にして、中にはいっていく。それから、しばらく音沙汰がない。

 しびれを切らした女性が、建物のなかに入ってみたものとは……。


:アート・ザ・クラウンの物語の基本フォーマットはここで見られる。ファン必見の映像である。


「Ending」

 一連の映像をみていたバーバラ。

 テープを止めたはずが、テレビ画面は何かを写し続けている。

 そして、最後に映ったものとは……。


:ここは実際的にエンディング・パートであるため、説明不要。


 ファン必見であることには間違いなく、本作がテリファーシリーズのオリジナルであることを考えると、本作から見るのも正解といえる(三作目の感想でも私は同じことを言っているが、もちろん、どちらも本気だ)。

 時間も短くサクッと見られるので、手軽に怖いものがみたいときにおすすめである。



※テリファーシリーズの感想はこちら


テリファー 終わらない惨劇

https://kakuyomu.jp/works/16818093075080597640/episodes/16818093076713596885


テリファー 聖夜の悪夢

https://kakuyomu.jp/works/16818093075080597640/episodes/16818093089826690436

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