ベテルギウス

船越麻央

銀河の王 ベテルギウス

 余はこの銀河の王である。


 余の2000億の民よ

 

 余にはあまり時が残されていない。


 余の寿命は間もなく尽きるであろう。


 華々しくこの銀河から消え去るのだ。


 闇に生まれ闇に消える。


 余もこの定めに従わねばならぬ。


 もし星空を見上げる者あれば


 天空に輝く余の最期を拝め。


 余が王位についてから


 どれほどの時が流れたであろう。


 しかしこの宇宙の永劫の時のなかでは


 一瞬にすぎぬ。


 余はこの玉座に未練などない。


 余は生まれ変わるのだ。


 余の都エリシアに栄光あれ。


 余亡き後、この銀河を継ぐ者。


 王家の星々。


 東の王、アルデバラン。


 西の王、アンタレス。


 南の王、フォーマルハウト。


 北の王、レグルス。


 力を合わせてこの銀河を守るのだ。


 暗黒の力を侮るなかれ。


 余は永遠の眠りにつく。


 余の名はベテルギウス。


 さらばである。


 


 


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ベテルギウス 船越麻央 @funakoshimao

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ