19世紀初頭(1)ミニエの熱烈な『賛辞』

 19世紀の初め、シャルル七世に関する熱烈な批評がふたつある。

 ひとつは1802年に出版されたアントワーヌ・フェラン著『歴史のエスプリ(l'Esprit de l'histoire)』で、もうひとつは1809年に出版されたガエタン・フラッサン著『フランスにおける外交の歴史(Histoire de la diplomatie française)』である。


 しかし、このただでさえ長い文書リストの中で、「シャルル七世」というテーマに限れば、本稿で取り上げるまでもないその他大勢の著書(厳格なデュリュールから穏やかなロワイユまで色々……)には触れないことにする。


 フランソワ=オーギュスト・ミニエ(François-Auguste Mignet)

 プロスペル・ド・バラント(Amable-Guillaume-Prosper Brugière de Barante)

 オーギュスタン・ティエリ(Augustin Thierry)

 アベル=フランソワ・ヴィルマン(Abel-François Villemain)

 フランソワ=ピエール・ギゾー(François Pierre Guillaume Guizot)


 彼らの著作によって特徴づけられる、この歴史的ルネッサンス(復興)の時代を見届けることを切望しているからだ。





 フランソワ・ミニエの文学的キャリアは、『シャルル七世への賛辞(Eloge de Charles VII)』から始まった。


 1820年、アカデミー・ロワイヤル・デュ・ガール(Académie royale du Gard)が賞を授与。ミニエの著作をコレクションに加えるにあたり、次のように述べている。


「この著書はアカデミーの期待にほぼ応えており、非常に優れた才能を示している。著者の今後のキャリアを称えるにふさわしい」


 ミニエは、シャルル七世をルイ十一世やリシュリューよりも上位に位置づけて、「この王は、利権を傷つける(権益を損なう)ことなく、悪弊を是正する優越性を示した」と評価した。


 王の性格について、ミニエの評価は次の通りである。




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 シャルル七世の治世におけるこの輝かしい時代に思いを馳せよう。

 彼がもたらした統治の知恵と制度の有用性を語り、先祖の恩義に報いるために賛美を捧げよう。パトリア(故郷)の恩人を称えることは喜びであり、特にその恩人が国王である場合には、賛美は失われず、君主に与えられる励ましとなり、人民に与えられる奉仕となるからだ!


 シャルル七世が立法者としての見解と国王としての美徳を示したのは、王位について間もない頃だった。彼の改革と博愛はすべてにその足跡を残した。


 短期間のうちに無政府状態は解消され、秩序が回復した。

 民衆は不幸から解放され、自由のない中で保護を得た。

 軍隊は略奪を禁じられ、規則正しい組織と厳しい規律に従った。

 教会は平定され、独立が保証された。

 正義(司法)は法廷にあり、経済は財務にある。

 二つの大きな地方が再征服された。

 平和の中に幸福があり、戦争の中に栄光があった。


 そしてついに、古い君主制の瓦礫の上に新しい君主制が生まれた。

 ほとんど無力だった王権を、ほとんど無限の王権へと変えた偉大な革命は、(本来なら)専制政治を縮小させることを望むはずの貴族と、その解放を望むはずの国民によって成し遂げられた……。


 時には、シャルル七世の自信に満ちた精神と気さくな性格が、彼に媚びを売ったり、弱さに導くことがあったとしても、少なくとも残酷さや背信行為(裏切り)で自分を汚すことは絶対にしなかった。


 犯罪が日常で、復讐することを望まれた時代に、彼はいつも優しく、思いやりがあり、忠実な性格だった。彼の人間性は、内戦の時代にこれまで見たことのない未知の光景をもたらしたのだ。

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