非常にクリアな文章が、ポップでお洒落!
昆虫にあまり詳しくない自分でも、思わず読みたくなる作品でした。
まずは、ヒロイン・御花見桜子ちゃんという名前の、素敵さ、センスのよさ!
(途中で出てくる友人の名前も、センスがいい!)
その名前どおりに、キャラクターもかわいかったです!
昆虫の話もすごくわかりやすく書かれていて、虫にとって、自分のう○こは土と同じなんだな……とか……生物にとって脳とは? 知能とは? など……自然の摂理のようなものが感じられて、知的な面でもおおいに楽しませてもらいました。
ゆっくりめの主人公ふたりの恋愛模様も、ほのぼのしてよかったです!
前半はスローライフな感じで、ラストに向かっておおいに盛りあがります。
胸がゆさぶられ、涙腺がゆるむシーンも。。。
しっかり練りあげられた構成で、一本のおもしろい映画を鑑賞したような心地よい読後感でした。
一匹の貴重な昆虫を育てあげたような満足感を感じさせてくれる、とても素晴らしい作品です!!!
読み始めてまず驚かされるのは、作者さんのカブクワ飼育に対する凄まじい程の知識量!
様々なカブトムシやクワガタの飼育方法や、飼育にあたっての注意点、苦労話等々……。
お話に沿いつつも、それらが分かりやすく語られます。
本作を読むだけで、カブトムシやクワガタの飼い方についてちょっぴり詳しくなれるかも知れません!?
もちろん、ストーリー自体もかなりの面白さ。
異界から持ち込まれた甲虫の飼育奮闘記に始まり、持ち込んだ人物(?)の真の目的や、ゆっくりと進展していく主人公とヒロインの関係など、先が気になる展開がたっぷりと盛り込まれています!
っていうか、元気でちょっぴり無防備なヒロイン・桜子ちゃんが可愛くて仕方がありません。
羨ましいぞ、主人公……!
昔、カブクワ飼育に憧れた少年だった男性諸君は、必読の一作だと思います!