連想ゲーム

どちらも正解！

「さあ令和の時代に戻ってきました。昭和を彩った【連想ゲーム】司会進行はNHKアナウンサー、」小南等でお送りします」

NHKの昭和の名番組【連想ゲーム】が一晩限りの復活だ。

放送時間は僅か15分。

春の番組改変でよくある調整的な場当たり番組。

小南は声を大にして出演者を紹介する。

「白組キャプテンは俳優の加藤勝さん、そしてパネラーは料理研究家の五代翔さんとITジャーナリストの野見山健さんです。対する紅組キャプテンは作家の港千明さん、そしてパネラーは女優の小向夏さん、そしてデザイナーの羽鳥くるみさんです」

カメラが各パネラーをアップして司会進行の小南を映す。

「では次のヒントから連想される答えを解答してください。ヒント1は『蕾』ヒント2は『開く』ヒント3は『ピンクの花弁（はなびら）』さあ、お答えください。イッツ ア シンギングタイム！」

各パネラーが苦悶の表情で悩んでいる姿を映し出す。

その表情は実に芝居がかっている。

これはプロデューサーからの一言で仕方なくやらされている目敏い演出である。

カメラが小南に戻る。

「さあ、皆さんお答えが出たようです。先ずは紅組女性陣の解答を見ていきましょう。さあボードをお出しください」

港、小向、羽鳥がボードを出す。

小南が言う。

「おーっと、紅組女性陣は皆さん『桜』『桜』『桜』と全員同じお答えです。いやー実に息の合ったチームワークですねー。それとも答えが感嘆すぎたのでしょうか。続いて白組男性陣ボードをお出しください」

加藤、五代、野見山が自信ありげにボードを出す。

小南がにやりと不敵な笑みを浮かべ言う。

「おーっと、白組男性陣は表現は違いますが意味する答えは皆さん同じですね。加藤さんは『女性の局部』五代さんは『陰唇』これは官能小説などでよく用いられる用語ですね。そして野見山さんは直球勝負の『おまんこ』いやーこの表現は国営放送としてだけではなく放送倫理としても十二分に問題ですが如何せんこの番組は生放送なので致し方ありません。男性陣は『ピンクの花弁』を『ピンクのびらびら』と聞き間違えたのかも知れませんね。誤解を招くといけませんのでお伝えしときますが使い込まれた女性の方は色素沈着してドス黒くなられていらっしゃる方もいるでしょうからね。まーこれは私だけではなく世の男性全ての願望でしょうがやはり女性のアソコはピンクに越したことはありませんからね。では、ここで正解発表です」

ここでお馴染みのドラムロールが鳴り響きスタジオの出演者および聴衆は固唾を呑む。

そしてドラムロールの最後の一音が鳴り終わり小南が正解を発表する。

「正解はずばり『おまんこ』です。白組男性陣は一応全員正解ですがここは厳正に対処して『おまんこ』と記入された野見山さんだけを正解といたします。野見山さんには賞金30万円と副賞として五反田のソープランド【ピンクのびらびら】の1年間無料パスポートを贈呈いたします。では正解された野見山さんに一言いただきましょう」

野見山が満面な笑顔を湛えコメントする。

「絶対に『おまんこ』だと思ったんです。ヒント2の『蕾』はずばりクリトリスの事ですよね。ソープランド【ピンクのびらびら】でドス黒いおまんこのヘルス嬢が応対してきたら往復ビンタ喰らわせてケツの穴にぶち込んでやります」

小南が最後を締める。

「野見山さん警察沙汰にならないように程々にされてくださいね。ではテレビの前の皆様、また会う日まで、さようならー」