【声劇台本】活劇×龍櫻綺伝 序章/覚醒 篇『キミシニタモウナカレ』
家楡アオ
『キミシニタモウナカレ』(男:女:不問=3:3:0)
<台本名>
活劇×龍櫻綺伝
序章/覚醒 篇『キミシニタモウナカレ』
※テスト前台本です。
<作品情報>
脚本:家楡アオ
所要時間:??~??分
人数比率 男性:女性:不問=3:3:0(総勢:6名)
<登場人物>
祈里待 湊(いのりまち みなと)
性別:男性、年齢:10代後半、台本表記:祈里待
本作の主人公であり、八大貴族・八芭螺家に仕えている。
義理堅く争いを好まない心優しい青年であるが、自身の大切なヒトが
危機に陥った際は、自己犠牲を厭わない行動をとることがある。
八芭螺 桔梗(はばら ききょう)
性別:女性、年齢:10代後半、台本表記:桔梗
八大貴族・八芭螺家の次女で、現当主の姉の補佐役
として領内の政務を手伝っている。
容姿端麗で品行方正の人柄から龍櫻國民の人気が高い。
湊とは幼馴染の間柄で、密かに彼の事を想っている。
【将軍】龍宮豊玉之命(りゅうぐうとよたまのみこと)
性別:女性、年齢:??歳(見た目は20代)、台本表記:竜宮
龍櫻國を統治する【将軍】を務める女性で、
そして龍櫻國の守護龍たる【神龍】リュウオウの継承者。
一人称は「妾」など古風な言葉遣いで話し、立場に相応しい
威厳を兼ね備えてる一方で、柔らかくも蠱惑的な雰囲気も纏っている。
【狻猊】八芭螺 纏(はばら まとい)
性別:女性、年齢:30代前半、台本表記:纏
八大貴族・八芭螺家の現当主で、『煉獄』を司る
【竜生九子】である【狻猊】の継承者。
豪放磊落で自由奔放と我が道を往く性格であり、
将軍に対しても敬語を使わない。
治安維持組織【八芭螺警邏隊】の総隊長でもある。
【睚眦】㐂那屋敷 厳爾朗(きなやしき げんじろう)
性別:男性、年齢:30代前半、台本表記:㐂那屋敷
八大貴族・㐂那屋敷家の現当主で、『闘争』を司る
【竜生九子】である【睚眦】の継承者。
風貌・言動共に荒々しく、圧倒的な威圧感を持つ。
価値観の全てを戦闘に置き、戦いと強さが全て。
【贔屓】壱宣瀬 秤(いちのせ はかり)
性別:男性、年齢:30代前半、台本表記:壱宣瀬
八大貴族筆頭・壱宣瀬家の現当主、『秩序』を司る
【竜生九子】である【贔屓】の継承者。
非常に冷静沈着な性格の持ち主であり、
【贔屓】の名に恥じない程の厳格で規則に厳しい。
八芭螺 纏とは幼馴染の間柄であり、よく彼女と喧嘩する。
皇儀 緋真(すめらぎ ひさな)
性別:女性、年齢:享年30歳、台本表記:皇儀
先代【椒圖】を務めていた女性で、竜宮とは親友であった。
継承する前から原因不明の難病にかかっており、
継承後も病は治ることがなかった。
そのため戦いに身を投じたことで、やがて衰弱し病死してしまった。
物静かな貞淑な女性ではあったが、時折大胆な行動をとることがあった。
<用語集>
『龍櫻國』(読み:りゅうおうこく)
【神龍】リュウオウと【四英傑】と呼ばれる4人の英雄が創設した東方国家。
龍神信仰が盛んであり、一年中咲き続ける【千年桜】と呼ばれる桜の木が
国中に植えられている。
一部の者はヒトと龍の間に産まれた半人半龍であり、ほとんどが支配層にいる。
『八大貴族』(読み:はちだいきぞく)
【神龍】リュウオウの子となる【竜生九子】の血を受け継いだ、
龍櫻國において強大な権力を担う8つの貴族。
【
【
【
【
【
【
【
【
『椒圖』(読み:しょうず)
【竜生九子】に数えられるも、他の龍たちとは異なり力の継承に血筋は関係ない。
そのため、【椒圖】自身に選ばれないといけないが詳細な選定方法は不明。
前任者の9回目の命日を迎えた年に新たな継承者が誕生すると言われている。
『神祇官』(読み:かみづかさ)
【神龍】リュウオウおよび龍櫻國を守護する龍であり、
【竜生九子】とは上位の位置に立つ。
謂わば、神直属の親衛隊のような存在であり、全戦力を以てして
簡単に一国を亡ぼす事は可能と言われるが、基本的に俗世の争い
については原則的に不介入である。
ただし【椒圖】のみは例外として【竜生九子】として数えられる。
『神祇官』一覧
【将軍】:龍宮豊玉之命
【霸上】:??????
【牛囚】:??????
【椒圖】:空席(先代:皇儀 緋真)
【台本・配役テンプレート】
台本名;
活劇×龍櫻綺伝 序章/覚醒 篇『キミシニタモウナカレ』
URL
<配役>
祈里待 湊:
八芭螺 桔梗/皇儀 緋真:
【将軍】竜宮豊玉之命:
【狻猊】八芭螺 纏:
【睚眦】㐂那屋敷 厳爾朗:
【贔屓】壱宣瀬 秤:
※配役検索に役立ててください。
☆:祈里待
●:桔梗、皇儀
□:竜宮、N②、N③
△:纏
◇:㐂那屋敷
▽:壱宣瀬、N①、N④、N⑤、N⑥、N⑦
――――――――――――――――――――――――――――――――――
【零】
☆祈里待N:
☆祈里待N:
☆祈里待N:そして和を
☆祈里待N:
☆祈里待N:——『
(間)
□竜宮:『今よりは 秋風へさむく 吹きなむを
□竜宮:――
□竜宮:時は
□竜宮:理解しておる。
□竜宮:このような
□竜宮:
□竜宮:見定めよう、其方が認めし者を。
□竜宮:この
(間)
☆祈里待:んっ……ここは……
▽N①:青年・
石の
☆祈里待:
けど、
それに——
●皇儀:こっちですよ。
☆祈里待:えっ?
●皇儀:こっちに来てください。
▽N①:見知らぬ女性の声が聞こえる。
辺りを見渡してもどこにもいない。
その女性の優しい声に懐かしさを
思い出そうにも思い出させない。
声に
☆祈里待:あれは……
▽N①:光景が一瞬にして変わる。
先程まで
気が付くと、ある丘の上に
●皇儀:こんばんわ、ここまでご苦労様。
▽N①:そう言って、ひとりの女性が慈愛を込めた笑みを浮かべる。
一見すると気品あふれる名家の女性ではあるが、
それに似つかわしくない
☆祈里待:
失礼致しました!
●皇儀:頭を上げてください。
今は……
☆祈里待:しかし!
●皇儀:
この場では身分と立場などは不要。
――それに私は、
だから、頭を上げてください。お願いします。
☆祈里待:……わかりました。
●皇儀:ありがとうございます。
☆祈里待:失礼致します。
●皇儀:今は……
☆祈里待:えっ?
●皇儀:
☆祈里待:どうして、名前を——
●皇儀:ごめんなさい、今は詳しいお話をすることが出来ません。
〝彼〟が創って時間は僅かしかありませんので……
――
〝私達〟は
▽N①:
女性は
●皇儀:
▽N①:彼女がそう問いかけた瞬間だった。
世界全体がガラスの様にヒビが入り割れてしまう。
割れたその先は、
底が見えない
☆祈里待:おわっ!? 落ちる!!
●皇儀:あぁ、ごめんなさい……時間切れのようですね……
☆祈里待:ま、待ってくれ! まだ最後まで!!
▽N①:
しかし彼女に近付くことは出来ず、反対に彼女は離れていく。
●皇儀:また近いうちに会う事になるでしょう。
だからこそ——
▽N①:最後の一言を彼女は言う。
●皇儀:キミニシタモウコトナカレ。
▽N①:離れているのに、女性の声は彼の耳元で
☆祈里待:
□竜宮:
●皇儀:『キミシニタモウナカレ』
【壱】
☆祈里待:待ってくれ!
――あれ? ここは……俺の部屋だよな?
夢、だったのか。
なんか現実な事のように感じたけど……
あのヒトはどうしてそんな事を……
それに——
●皇儀(回想):
☆祈里待:なんであんなことを……
んっ? この鐘の音は——
やっべ! 寝坊だああああああ!!
(間)
☆祈里待:1121、1122、1123……
△纏:
☆祈里待:1150、1151、1152……
△纏:だからこそ、俺は心苦しく感じている。
☆祈里待:1161、1162、1163……
△纏:さっ! 後、200回追加だ!!
☆祈里待:ちょっとまてぇい!!
△纏:なんだ? 今動かすのは口じゃなくて、身体だ。
ほれ、続きを早くしろ。
☆祈里待:「なんだ?」、じゃないでしょーが!
この炎天下の中、100㎏の
スクワットもさせるだけでも鬼畜なのに!!
△纏:しょうがないだろう。
☆祈里待:それはスイマセンでした!
でも、どうして200回追加されるんですか?!
増やされる要素、なかったでしょ!!
△纏:それは俺の言葉に反応しないからだ。
☆祈里待:理不尽だあああああ!!
●桔梗:――うふふ、随分と姉上にしごかれているのですね、
☆祈里待:お、お嬢……
△纏:おはよう、
●桔梗:おはようございます、姉上。
と思ったので様子を見に来たんですか……予想通りでした。
姉上、いいですか?
承知しておりますが、私の護衛官なのでもあります。
そうやってイジめないでくださいませんか?
☆祈里待:お、お嬢……ぐおっ!!
△纏:だってさ、どうする?
☆祈里待:だってさ、じゃないでしょーが!!
てか、なんで重量が増しているんだ……!
△纏:俺が乗っているからな!
☆祈里待:ああっ! 納得の重さだ!
あれ?
●桔梗:あっ……
☆祈里待:あっ……やっぱり、今のナ——
△纏:よし、死ね。
☆祈里待:ああああああああああああ!!
【弐】
☆祈里待:あぁ……全身がいてぇ……マジで地獄だった……
●桔梗:姉上に対してあんなことを言ってしまったら、
制裁を与えられるのはわかっていたでしょうに……
☆祈里待:でもさ、
●桔梗:えい!
☆祈里待:あいたぁ!?
●桔梗:……また、傷が増えている。
☆祈里待:えっ?
●桔梗:傷が増えている、と言ったのです。
☆祈里待:もしかして、背中の火傷のことか?
大丈夫、もう治っ——
●桔梗:この間の火事の時ですか?
☆祈里待:……あぁ、まあな。
子供が取り残されたって聞いてさ……
それに火消し隊が到着するまでには手遅れになると思って。
――って、そんな顔をするなって!
俺なら大丈夫だよ! ほら!!
●桔梗:どれだけ心配しているか、わかっている?!
☆祈里待:うっ……
●桔梗:確かに貴方は、私の大事な護衛官でもあり、幼馴染!
今回はたまたま無事でいたからいいけど……
本当に死んでしまったら、私……私……
☆祈里待:――ごめん。
●桔梗:ちゃんと約束を守ってください!
私の許可なしで死ぬ事は許しません!!
☆祈里待:うん、わかった。
●桔梗:……足りません。
☆祈里待:へっ?
●桔梗:ちゃんと誓ってください、言葉で!
☆祈里待:さっきのじゃダメなの?
●桔梗:ダメです!!
☆祈里待:泣き虫のくせに、相変わらずの頑固さだなぁ……わかったよ。
どんなことがあっても、お嬢――
約束する。
●桔梗:よろしい!
☆祈里待M:良かった……なんとか機嫌を取り戻してくれたか。
△纏:ほ~う?
☆祈里待:こ。この声は……
△纏:随分とお熱い場面に出くわしてしまったな~?
●桔梗:姉上!?
☆祈里待:最悪だ……
△纏:みなと~? 何か生意気な事を言ってたな~?
☆祈里待:えーっと……自分には何のことだがさっぱり……
△纏:「どんなことがあっても、お嬢――
☆祈里待:おーい! やめろー!!
△纏:なんだ? お前のマネをしただけだが?
☆祈里待:明らかにバカにしているだろ!!
●桔梗:そ、それにしても! 姉上?
一体、どうされたのですか?
△纏:それはそうなんだが……ちょいと面倒な事になってな……
●桔梗:面倒な事?
△纏:
☆祈里待:俺に、客人ですか?
△纏:そうだ。てか、もう来ているんだがな。
□竜宮:【
☆祈里待:えっ?
●桔梗:今の声……もしかして……
△纏:そうだろう、そうだろう!
☆祈里待 / ●桔梗:将軍様ー!?
□竜宮:ふふっ、良き反応をするものじゃ。
☆祈里待:た、大変失礼いたしました。
●桔梗:将軍様の
……大変申し訳ありません。
□竜宮:良い良い、
●桔梗:しかし——
□竜宮:
それにしても――
△纏:んっ? なんだよ。
□竜宮:【
△纏:だって、この家の主だし。
●桔梗:姉上!!
□竜宮:嘆かわしいものじゃ。
△纏:しょうがねーじゃん、先に俺が産まれちゃったんだからさ。
□竜宮:まあ、そんなお主を
【
△纏:確かにそうだな!
あーはははは!
▽壱宣瀬:――ならば。
△纏:えっ?
▽壱宣瀬:貴殿が望むのなら、その軽口の通りに実現しようか?
△纏:げっ……いたのかよ……
▽壱宣瀬:当然だ。
将軍が動く以上は、【
△纏:相変わらず堅苦しいヤツだよ、お前は。
▽壱宣瀬:
☆祈里待:えっ、
▽壱宣瀬:お前に、幕府への登庁が
☆祈里待:ちょく、れい?!
□竜宮:そうじゃ、
△纏:何かやらかしたのか?
☆祈里待:
△纏:おっ?
☆祈里待:スイマセン。
▽壱宣瀬:【
△纏:えっ、俺も?
□竜宮:そうじゃ。
もちろんだが、それも
……わかっておるな?
△纏:わかってますよっと。
で、参考程度ですけど……登庁については俺なら納得ですが、
どうしてウチの
▽壱宣瀬:貴様、いい加減に——
□竜宮:構わん、【
――「
△纏:なっ!?
●桔梗:うそっ……
☆祈里待:えっ、どういうこと?
□竜宮:なんじゃ、知らぬのか?
△纏:当たり前だろ……こんなことは限られたヤツしか知らねぇんだから。
□竜宮:そういえば……そうじゃった。
いかんなぁ、永く生きていると物忘れをしてしまう。
――さて、
☆祈里待:は、はい!
□竜宮:お主には、この國の守護者たる【
【
その
直接
☆祈里待:承知しました!
□竜宮:ふふっ、期待しておるぞ?
△纏M:うっわ……あの顔は何か企んでやがるな……?
しかも絶対にロクでもない事だ。
【参】
□N②:幕府へ向かう馬車のひとつに
車内の空気は重苦しい
突然の来訪者から告げられた言葉は、
内容で
【
そして【
【
その力を継承する候補者として選ばれたのだから。
☆祈里待M:――【将軍】からの言葉だ、そこに嘘偽りは無いはず。
でも、どうして俺なんだ?
高貴な出自ではないし、
血縁関係があると言うわけではない……ただの一般庶民だ。
にも関わらず、【八大貴族】と同等の権限を持つ立場に
なるかもしれない……今でも信じられない……
△纏:なんだ、お前は!
☆祈里待:だー! もう! わかっているんですか?!
結構やばいことになっているんですよ!!
△纏:だから言ったじゃねえか、面倒な事になったって。
☆祈里待:他人事だからって……てか、全然驚かないんですね。
まさか……知っていたんですか?
△纏:まあ、そりゃあ俺だって【
とは言っても、気配を感じたが
まるで
●桔梗:姉上……もし、
△纏:あぁ、【
【
その時は【将軍】の元に仕えなきゃいけない。
正確に言えば、
●桔梗:それじゃあ……いずれは
という事なのですね。
△纏:そうだ。
●桔梗:そう、ですか……
☆祈里待:ちょっと待てよ! まだ決まった訳じゃない!
それにいくら
△纏:くどいぞ、
☆祈里待:っつ!
△纏:おまえがいくら
それとも、なんだ?
【将軍】が嘘をついていると言いたいのか?
☆祈里待:そんなことは——
●桔梗:良い事ではありませんか、
☆祈里待:
お前、何を言っているんだよ……
●桔梗:とても名誉な事です。
☆祈里待:お前はそれでいいのかよ!!
●桔梗:…………。
☆祈里待:約束しただろ! 何があってもお前の傍にいるって!!
●桔梗:……そんな事、
☆祈里待:
●桔梗:黙りなさい!!
☆祈里待:っつ!
●桔梗:貴方は私の従者なのです!
自らの忠誠を尽くす相手に対する無礼な態度は言語道断です!
☆祈里待:お前は——
△纏:二人ともそこまでだ。
☆祈里待:っつ!
●桔梗:姉上……
△纏:馬車が停まった。
どうやら幕府に到着したみたいだな。
☆祈里待:……はい。
●桔梗:わかりました……
△纏:(※小声で)……まったく、まだまだ子供だな。
【肆】
□N③:幕府内にある特別留置場。
ある一人の男が収容されていた。
◇㐂那屋敷:んっ?
よぅ……誰かと思えば
相変わらず、気に食わねぇツラをしていやがるなァ!
▽壱宣瀬:…………。
◇㐂那屋敷:おいおい、無視かよ……
こちとら
▽壱宣瀬:…………。
◇㐂那屋敷:黙ってるんじゃねえよ!
こちとら、
あまり
▽壱宣瀬:なら、それは良かった。
◇㐂那屋敷:あっ? 何を言って——
▽壱宣瀬:出ろ、【
◇㐂那屋敷:ふざけるな、何のじょうだ――!
▽壱宣瀬:
◇㐂那屋敷:……なんだと?
▽壱宣瀬:これより、【継承の儀】が始まる。
貴殿には「継承者候補の相手をせよ」とのことだ。
◇㐂那屋敷:おいおい、今度こそ本物なんだろうな?
かれこれ8人を相手にしてきたが、全員が偽物だっただろうがァ!
▽壱宣瀬:だからと言って、
死罪とならなかっただけでもありがたいと思え。
◇㐂那屋敷:こちとら不愉快でしかねぇんだよ!
全員が無能なザコばっかりだ!
しまいには戦いを恐れて背中を見せた馬鹿野郎もいる!!
▽壱宣瀬:…………。
◇㐂那屋敷:最後のヤツは地方貴族かなんだが知らねぇが、
一言一言が
▽壱宣瀬:ふぅ……野蛮なのは【
それとも生来のモノなのか?
◇㐂那屋敷:そう思うんだったら、他の【
俺は降ろさせてもらうぜ。
▽壱宣瀬:それは許されない。
◇㐂那屋敷:あ゛ァ?
邪魔すんなら、代わりにテメェを今ここで叩き斬ってやろうか?
▽壱宣瀬:
◇㐂那屋敷:はっ?
▽壱宣瀬:【将軍】より「殺してもかまわない」との通達だ。
◇㐂那屋敷:はっ! おいおい、遂に【将軍】様も狂っちまったか?
お笑い草だなァ!!
▽壱宣瀬:言動を慎め、【将軍】への
◇㐂那屋敷:事実じゃねえか!
よし、わかった! それなら喜んで従ってやるよ!!
もちろん、殺してしまっても
▽壱宣瀬:
◇㐂那屋敷:ククッ……クククッ、久しぶりの本気の殺し合いだァ!!
▽壱宣瀬M:――しかし、これでいいのだろうか……?
(※回想シーン:開始)
▽壱宣瀬:はっ? 今、なんと……?
□竜宮:【
▽壱宣瀬:御言葉ですが、
また、あの
□竜宮:……おまえさんは、あの者が負けると思うのか?
▽壱宣瀬:はっ?
□竜宮:今までの者は、貴族の者たちが自身らの
しかし、あの者は本物じゃ……ひとめ見ただけでわかる。
▽壱宣瀬:それは一体……
□竜宮:あやつから
今までの者にはない、明らかなモノじゃ。
しかし、このままでは力を解放する事は出来ん。
ならば、無理やりにでもこじ開ける。
▽壱宣瀬:つまり——
□竜宮:
(※回想シーン:終了)
▽壱宣瀬M:――
【伍】
☆祈里待:ここは……?
□竜宮:幕府地下の最下層、通称『
ここで発生する
☆祈里待:まるで
□竜宮:ええのう、
ならば、どうしてお主をここに連れて来たか……わかるか?
☆祈里待:それは……【継承の儀】のため、ですよね?
□竜宮:そうじゃ。そして、そのために——
◇㐂那屋敷:テメェが【
☆祈里待:えっ?
▽壱宣瀬:遅くなってしまい大変申し訳ありません。
□竜宮:構わんぞ、
さて……
☆祈里待:準備?
□竜宮:
☆祈里待:え、えーっと……
◇㐂那屋敷:よそ見をしている暇はねぇぞォ!!
☆祈里待:っつ!
◇㐂那屋敷:いい反応するじゃねえか!
今までのザコとは大違いだ! 嬉しいぜ!!
☆祈里待:そいつは……どうも! ふんっ!!
◇㐂那屋敷:はっ! 随分と戦いにこなれているじゃねえか。
よく見たら、その短刀と服……なるほど、
だったら、わかるよな?
俺はそこらへんの
そんな
もう一つの刀、その腰に差しているモノはただの棒じゃねえだろ?
☆祈里待:なんなんだ、こいつは?!
□竜宮:【
その継承者である
此度の儀式にて、お前の
☆祈里待:ちょっと待って?!
あのヒト、全力で俺を殺そうとしてきているんですけど?!
□竜宮:
どんなに否定しようとも、その事実は変えられぬ事だ。
お主がすべきことは……?
☆祈里待:――目の前の敵に勝つ事。
□竜宮:ご名答♪
☆祈里待:滅茶苦茶だ……
□竜宮:勝てなければ、お主は死ぬ。それだけじゃ。
☆祈里待:――あぁ、納得。
だから
なんとなく薄々と感じていたけど……
まったく、ヒトの人生をなんだと思っているんだ。
□竜宮:さて、戦いは始まってしまったが……何か言葉はあるかのう。
☆祈里待:――ひとつだけ。
□竜宮:なんじゃ?
☆祈里待:約束を果たし、
俺はここで死ぬわけにはいかないんです。
□竜宮:――
ならば、行って参れ。
◇㐂那屋敷:ハッ! 刀を抜いたってことは覚悟が決まったようだなァ!
久しぶりに楽しめそうな戦いだ。
お前に敬意を表して、特別に
――我が名は! 【
第11代
☆祈里待:腹をくくるか……(※一息を吐いた後に)我が名は!
☆祈里待 / ◇㐂那屋敷:いざ
【禄】
△纏:(※大きなあくびを一回した後に)ヒトを呼んでおいて待機とか。
暇すぎるな、お前もそう思うだろう?
●桔梗:…………。
△纏:ききょー!
●桔梗:あっ! はい! どうしましたか、姉上?
△纏:全く……聞いていなかったな?
●桔梗:あっ……申し訳ありません……
△纏:アイツのことが気になるか?
●桔梗:い、いえ……
△纏:嘘をつくのなら、もう少し器用にやれ。
●桔梗:……はい。
△纏:しょうがないヤツだ……
●桔梗:はい。
【
そして【
を担う特別な龍です。
他の【
よって選ばれた者にしか力を継承出来ない。
△纏:そうだ、そこには家柄も身分も関係ない。
……前任者の
そして前任者の死から
が現れるといわれている。
全ては繰り返されるものだ。
●桔梗:姉上、その……継承の儀とはどういった事をするのですか?
△纏:まあ、
黙っていようと思ったんだが……仕方がない。
それに知っておいたほうがいいだろう。
継承者に「己を【
そして、その為には戦いを通して力を
●桔梗:戦いを通して……それって……
△纏:そうだ、命懸けの戦いとなる。
確かに、
戦闘力の持ち主だが、相手が
この気配からして……今、戦っているのは
●桔梗:
△纏:そうだ。
【
……厳しい戦いになるだろうな。
●桔梗:くっ!
△纏:どこに行くんだ。
●桔梗:止めるんです! こんなこと、馬鹿げています!!
△纏:これは
お前ひとりで何とか出来る問題ではない。
●桔梗:ですが!
△纏:
●桔梗:っつ!
△纏:物事の道理が理解できないお前ではないだろう。
何故だ、どうしてお前の心がそこまで乱れる?
●桔梗:そ、それは……
△纏:好き、だからか?
●桔梗:(※恥ずかしくなって声にならない声を挙げる)
△纏:まあ、そんなことはとっくの昔に気付いていたけどな。
ただ……単純な好意じゃない。
●桔梗:えっ?
△纏:
理由はなんだ?
●桔梗:――彼とは……
覚えていますか? 父上と母上が亡くなった日を……
△纏:忘れるわけないさ……いくら任務で離れていたとは言え、
二人を守れなかったのは、俺の不徳を致す限りだ。
●桔梗:あの時、私も危うく殺されそうになりました。
ですが——
(※回想シーン:開始)
☆祈里待:
●桔梗N:
☆祈里待:ぐあっ!!
●桔梗:
☆祈里待:こんの……ま、けるもんかああああああああああ!!
●桔梗N:彼は倒れそうになったところを踏ん張り、
すぐさま体勢を整えて
●桔梗:
☆祈里待:わるい……遅くなって……
へへっ、
●桔梗:バカ!
☆祈里待:ちょ、ちょっと待って……俺、ケガ人……
ぽかぽか
●桔梗:どうして
下手したら死んでしまったかもしれないのに!!
どうして?!
☆祈里待:……そりゃあ、
●桔梗:本当に、バカじゃないの……
いくら主従関係を結んでいるからと言って——
☆祈里待:ちげえよ。
●桔梗:えっ?
☆祈里待:主とか関係なく、お前だから……
●桔梗:(※小声で)本当に貴方というヒトは……
☆祈里待:今、何て——いったぁ! そこ斬られたところ!!
……
●桔梗:そんなことを言うんだったら、約束して……私の傍に居なさい……
☆祈里待:
●桔梗:絶対に生きて帰って来て! 何が何でも!!
……勝手にいなくなったら、承知しないんだから。
☆祈里待:わかった。
――
(※回想シーン:終了)
●桔梗:――彼との大事な約束なんです。
でも、申し訳ありません……
少し頭を冷やして——
△纏:いいじゃねえか。
●桔梗:えっ?
△纏:たくっ……ウチのかわいい妹にそこまで言わしたのか、あの小僧は!
●桔梗:姉上?
△纏:
お前のその言葉って、ある意味プロポーズじゃねえか!!
●桔梗:えっ……えっー!!
△纏:よし、行くぞ!
●桔梗:えっ? どこにですか?
△纏:決まっているだろ?
お前の愛しいヒトに会いに行くんだよ!
●桔梗:ちょっと姉上!?
▽壱宣瀬:――やはり、来て正解だったな。
△纏:ちっ、空気が読めないヤツが来やがったか。
▽壱宣瀬:空気が読めないのは
神聖なる継承の儀を妨害する事は
やはり、私の予感は当たっていたか。
――ならば、私はここで
△纏:いいねぇ! 最近は平和過ぎて身体がなまっていたんだ!
お前だったら手加減しなくても……半殺し程度で済ませられるな。
▽壱宣瀬:その
△纏:その刀を抜くか……って事は本気だな!
――
▽壱宣瀬:行かせぬ!
△纏:おっと! 邪魔してるんじゃねーよ!
▽壱宣瀬:ぐっ!
△纏:テメェが龍の力を使うんだったら、コッチもやってやるよ!
▽壱宣瀬:貴様……!
●桔梗:姉上!!
△纏:俺の事はどうでもいい、早く行け!
こいつを抑えている間に!!
●桔梗:っつ……はい!
△纏:――よし、行ったな。あら、よっと!
▽壱宣瀬:ぐっ!
△纏:刀だけが戦う手段じゃねえぞ。
▽壱宣瀬:ちっ……やはり、私はお前を嫌悪する……!
△纏:それは
てか、俺の大事な妹を斬り殺そうとしたよな?
▽壱宣瀬:儀式を邪魔する者は、【
例外なく処罰するのは当然だ。
△纏:お前の辞書には「柔軟性」という言葉はねぇのかよ?
▽壱宣瀬:私は【
『
その私が、貴様らの様な
△纏:やっぱりうざいな、お前。
▽壱宣瀬:その言葉……貴様にそっくりそのまま返してやる。
△纏:上等だ……やれるもんならやってみろ!
▽壱宣瀬:『
△纏:『
▽壱宣瀬:『
△纏:『
△纏 / ▽壱宣瀬:『
【漆】
▽N⑤:場面は移り変わり、幕府地下最下層・
部屋全体に響き渡る
――刃と刃がぶつかる度に周囲に
それが
☆祈里待:くっ!
◇㐂那屋敷:剣の腕は悪くねぇ……ただ、そんなモンじゃ俺に勝てねぇぞ!!
☆祈里待:そんなこと言われなくても……わかってる、つーの!
◇㐂那屋敷:おっと! いいじゃねえかァ!
守りの剣ばかりじゃつまらねぇからなァ!!
剣は殺める為に或る!!
☆祈里待:無茶苦茶な事を言いやがる……
☆祈里待M:これが【
刀の一撃一撃が重い……!
◇㐂那屋敷:逃げの剣ばかりしているから、テメェも偽物かと思っていたぜ。
☆祈里待:勝手にそっちが偽物とか、本物とか決めつけているだけだろ!
◇㐂那屋敷:うるせぇ奴だな、文句はテメェの中にいるヤツに言え。
まあ、偽物でも本物でも俺にとってどうでもいい……
☆祈里待M:なっ、消え——
◇㐂那屋敷:戦える事だけで満足だからなァ!!
☆祈里待M:一瞬で目の前に……! まずい!!
◇㐂那屋敷:遅い。
☆祈里待:ぐうっ!
◇㐂那屋敷:ほう? てっきり真っ二つにしたつもりだったんだが……
対応出来るとは上々だ。
ほれほれ! 生きたければ、俺を
そんなクソみてぇな剣術じゃあ、どうしようもないぜ!!
☆祈里待:好き放題言ってくれるじゃねえか!!
◇㐂那屋敷:少しはマシな動きをしてきたな、戦いを通して成長しているのか。
もう少しやり合いたいところだが……だが、もう時間切れだ。
テメェ如きに、この力を使う必要はねぇが——
▽N④:そう言って、
そして、腰に差しているもう一本の刀を
彼はそれを天高く天高く掲げた。
◇㐂那屋敷:――全力で
☆祈里待M:なんだ? 空気が……
◇㐂那屋敷:よーく見とけ、これが俺の本当の力だ……【
――『
□竜宮:
◇㐂那屋敷:『
□竜宮:そして
◇㐂那屋敷:『
▽N④:
包み込むが、それは一瞬にして消えた。
そして——
☆祈里待:なんだ……あの姿は……?
▽N④:彼は驚きを隠せなかった。
頭には龍の角を生やし、そして龍と鬼が混ぜ合わさった
黒曜の
その隙間から見える、視た者全てを
これが【
◇㐂那屋敷:この力を使うのは久しぶりだァ……だからよ……
加減は出来ねぇぞ!!
☆祈里待:突っ込んでくるか、なら——
▽N④:
そして
時間にしてほんの一瞬。
その場で倒れ込んだ
理解することは出来なかった。
☆祈里待M:い、ま……何が……起きた……?
早過ぎる……くっ、身体が……
◇㐂那屋敷:ちっ、今回もあっけないもんだったな。
まあ、しょうがねえな。
それじゃあ——
☆祈里待M:まず、い……このままじゃ……っつ!
ダメだ……全身が痛く、て……動けない……
◇㐂那屋敷:――死ね。
●桔梗:
▽N④:【
声が聞こえる、
その声に
☆祈里待:き、ききょう……!
◇㐂那屋敷:あっ? なんだぁ、あのガキは?
●桔梗:
◇㐂那屋敷:うるせぇガキだ。
☆祈里待:ま、待て……どこに、いくん……んだ……!
◇㐂那屋敷:決まっているだろ、戦いの邪魔をする奴は女であろうと関係ねぇ。
☆祈里待:や、め……ろ……!
▽N④:
無情にも距離は縮まる一方であった。
●桔梗:
◇㐂那屋敷:うるせぇぞ! ガキがァ!!
●桔梗:っつ!
◇㐂那屋敷:儀式の最中だ、邪魔するんじゃねぇ!
死にたくなければ、さっさと此処から出ていけ!!
●桔梗:出ていきません!
◇㐂那屋敷:いい加減にしろ!
奴は負けた! もう動けねぇ!!
戦いで敗者に待ち受けるのは死だ。
せめての情けだ、早く出ていけ。
●桔梗:まだ……
◇㐂那屋敷:んっ?
●桔梗:まだ、
◇㐂那屋敷:ガキが、何を寝ぼけたことを言ってやがる!!
●桔梗:私はガキではありません!
私の名は、
貴方に戦いを挑んだ
例え【
◇㐂那屋敷:――言うじゃねえか、
なら、その生意気な口を黙らせてやる。
●桔梗:斬れるものなら斬ってみなさい!
私は逃げたりしない!
◇㐂那屋敷:その
□竜宮M:まずいな、ここは
あぁ、この感じは……そうか、選択の
【捌】
☆祈里待:どう、なっているんだ……これは……
▽N⑥:
時が停まったかのように、目の前の光景が停まっていた。
☆祈里待:どうして……
●皇儀:手痛くやられましたね。
☆祈里待:あなたは……あの時の……!
●皇儀:私の言葉、覚えていますか?
☆祈里待:言葉――あぁ、あの時にこう言いましたね。
「何のために戦うのか」、と。
そして、それに対する俺の選択を聞きたいと。
●皇儀:ええっ、そうです。
あの時は出来なかった。でも、今は問う事が出来る。
この選択で貴方と、そして貴方の勝利を信じた彼女の運命が決まります。
☆祈里待:
●皇儀:――
貴方は何のために戦うのですか?
☆祈里待:それは——
●皇儀:自らの命のためにですか、己の立場を守るためにですか?
それとも——
☆祈里待:違う。
●皇儀:えっ?
☆祈里待:俺が、戦うのは……
▽N⑥:
今に倒れそうではあるが、彼は意地でも立ち続けた。
そして彼の顔は決意に満ちていた。
☆祈里待:俺が戦うのは……「〝誇り〟を守るため」、それだけだ。
●皇儀:誇り、ですか?
☆祈里待:そうだ……自分の命を投げうってでも守り通したいモノの為に……
●皇儀:それは自己犠牲とは何も変わらないのでは?
☆祈里待:――確かに、一種のエゴだ。
……確かに、死にたくなさい。
死ぬのは俺だって怖い。
でも——
●皇儀:でも?
☆祈里待:それよりも大切なヒトがいない未来が怖いんだ。
今はこうやって戦う事を
目の前で家族を殺されても……
その時の俺は
●皇儀:…………。
☆祈里待:俺だけが生き残った。
でも、心を支配していたのは絶望と空虚感、そして孤独感。
常にそれらが俺を
「どうしてお前は生きているんだ」って責められ続けてきた。
段々耐えられなくなってきて、何度も何度も死のうとした。
でも……ぜーんぶ、あいつが、
●皇儀:…………。
☆祈里待:――だから、
今度こそ失う訳にはいかない、命を賭けてもだ!
自分勝手な我儘だと理解している。
でも、決めたんだ。
――それが理由なんです。
だから、俺は戦い続けることを選択したんです。
●皇儀:(※小声で)……立派に育ちましたね。
☆祈里待:えっ?
●皇儀:いえ、それが貴方の答えなのですね。
☆祈里待:――はい。
●皇儀:
――【
さあ、私の手をとって——
【玖】
▽N⑦:
目の前の男に殺される事に
やはり恐怖というものはある。
それでも、彼女は自身の行動に後悔はしていない。
しかし、彼女が予想していた結末は違った——
●桔梗:えっ?
▽N⑦:ふと自分の身体が浮かぶような感覚を覚えた。
そして気付いた、自分が誰かに抱きかかえられていることを——
◇㐂那屋敷:おいおい……やってくれるじゃねぇか!!
▽N⑦:【
●桔梗:み、なと……?
☆祈里待:悪い、ちょっと寝てた。
大丈夫か? 怪我はしていないか?
●桔梗:……うん!
☆祈里待:そうか、それならよかった……よっと。
勝負は終わるまで此処にいてくれ。
●桔梗:
☆祈里待:んっ?
●桔梗:絶対に……勝ってね!
☆祈里待:――あぁ、承知した! お嬢!!
◇㐂那屋敷:おいおい、
☆祈里待:黙れよ。
◇㐂那屋敷M:なんだ……この力は……!!
いや、それよりも先程とは様子が違う……
☆祈里待:うおおおおおお!!
◇㐂那屋敷:ちっ!
☆祈里待:……お前には
その礼を返してやるよ。
――『
『
◇㐂那屋敷:その
●桔梗:
□竜宮:ふふっ、認めたのじゃな。
●桔梗:どういうことですか、将軍様?
□竜宮:見ておれ、
あの者が——新たなる【
☆祈里待:『
——『
▽N⑦:【
白き龍の
●桔梗:あれが【
□竜宮:悪を
——【
そして【
◇㐂那屋敷:あーははははっ! 最高だ!!
力を覚醒したってことは、テメェが本物だったという訳かァ!
だけどよォ! 戦いはまだ終わってねぇ!!
ここは龍命脈も豊富にあるからな……命脈よ、集まれ!
□竜宮M:【
ただでさえ規格外の
龍命脈と接続することで強大な力を
さて、どう止める?
◇㐂那屋敷:――喰らいな! 『
▽N⑦:【
巨大な赤い
しかし彼は
☆祈里待:――
▽N⑦:そう言い、手をかざすと閃光は一瞬にして消える。
◇㐂那屋敷:なっ!?
☆祈里待:よそ見をしている暇はないぞ!
◇㐂那屋敷:テメェ、いつの間に——
☆祈里待:返してやるよ、
——『
▽N⑦:光り輝く刀を具現化し、そして一太刀の斬撃が
【
◇㐂那屋敷:かはっ!
▽N⑦:
――勝敗は決した。
☆祈里待:よっしゃあ……勝ったぁ……
●桔梗:
しっかりして!!
☆祈里待:(※寝息をたてる)
●桔梗:えっ……寝てる……?
□竜宮:当然じゃ、力の消費が激しい故に疲れてしまったのじゃろう。
●桔梗:そうですか……もう、本当に心配ばかりかけさせて。
▽N⑦:すると
そして、その
●桔梗:元に、戻った……それにこの刀は……
□竜宮:【
その
△纏:終わったのか?
□竜宮:まったく……お主の仕業じゃな?
△纏:なんのことだ?
□竜宮:あの娘をここに寄越したのは。
△纏:そんな気持ちなんて一切ないだろ?
アンタの
アイツを……
□竜宮:さあ? どうじゃろうな?
△纏:どこにいくんだ?
□竜宮:【継承の儀】が終わったのじゃ。
功労者への
大方、【
それとも——
△纏:うっ……それは……
□竜宮:冗談じゃ、うふふ。
△纏:全く……読めないヒトだよ、アンタは。
【拾】
☆祈里待:
▽壱宣瀬:起きたか。
☆祈里待:あれ? ここは……
▽壱宣瀬:幕府内にある一室だ。
☆祈里待:えっと……
▽壱宣瀬:…………。
☆祈里待:あの――
▽壱宣瀬:本来であれば、この様な
【
☆祈里待:……どうも。
☆祈里待M:感じ悪っ!!
☆祈里待:あっ、そういえば……
▽壱宣瀬:んっ、なんだ?
☆祈里待:アイツ……いえ、あのヒトは無事なんですか?
【継承の儀】で戦った……えーっと……
▽壱宣瀬:あぁ、
あの者ならば心配する必要はない。
しばらく休養をとれば元に戻る。
☆祈里待:そうか……良かった……
▽壱宣瀬:
変わった考えを持つ者だ。
☆祈里待:そりゃあ、そうかもしれないですけど……
でも、誰だって好きで他人の命を奪うことはしたくないでしょ?
▽壱宣瀬:…………。
☆祈里待:それに、あのヒトは【
この國を守る存在だ、尚更無事であって欲しい。
▽壱宣瀬:――戦いに身を投じる者の発言とは思えないな。
☆祈里待:
▽壱宣瀬:
☆祈里待:出て行っちまった……
(間)
△纏:おっ!
▽壱宣瀬:…………。
●桔梗:ご、ごきげんよう。
△纏:オレにボコボコにされた
●桔梗:姉上!!
▽壱宣瀬:はぁ……
△纏:随分とうんざりとした表情をしておりますな~?
▽壱宣瀬:お前だけならば……
△纏:んっ?
▽壱宣瀬:お前だけならば、こんなに悩まなくても済むのにな。
△纏:あっ? ははーん、なるほど……
▽壱宣瀬:……あの者を理解することは中々難しい。
△纏:
▽壱宣瀬:
△纏:そいつはどーも。
そういえばよ、俺たちの処遇はどうなるんだ?
▽壱宣瀬:んっ?
△纏:【継承の儀】の件についてはどういった罰則が与えられるんだ?
●桔梗:か、覚悟はしております!
▽壱宣瀬:――必要はない。
△纏:はっ?
▽壱宣瀬:此度の件については不問だ。
お前たちの行動は、きっと【将軍】の思し
△纏:けっ、お前も気付いていたのか。
▽壱宣瀬:それに——あの者の功を
△纏:マジかよ……規則と法律の塊であるお前がそんなことを言うのか?!
驚きを通り越して、キモイわぁ……
●桔梗:姉上は黙っていてください!
▽壱宣瀬:まったく、私なりの気遣いだということを理解出来ない
というのは……やはり、お前は猿以下の知能だな。
△纏:うっせ! おとといきやがれー!!
行くぞ!
●桔梗:あぁ、もう! 姉上ったら……あ、あの!
▽壱宣瀬:なんだ?
●桔梗:ありがとうございました!
▽壱宣瀬:……ふぅ、
●桔梗:はい。
▽壱宣瀬:其方にとってあの者はなんなんだ?
臣下か? それとも友人か?
●桔梗:いいえ、そのどちらでもありません。
▽壱宣瀬:では、なんだ?
●桔梗:『誇り』です——彼は、守るべき『誇り』です。
▽壱宣瀬:――そうか、全く姉妹揃って度し難いな。
【拾壱】
☆祈里待:これが【
俺は本当に【
うーん、実感出来ない!
□竜宮:そうじゃろうな。
☆祈里待:そうそう——えっ?
□竜宮:元気そうじゃな、
☆祈里待:うぇ!? 将軍様!! すいません!!
□竜宮:
☆祈里待:あ、ありがとうございます!
□竜宮:のう、
☆祈里待:喜んで、なんでしょうか?
□竜宮:
☆祈里待:……不思議なヒトでした。
□竜宮:不思議?
☆祈里待:自分は元々戦災孤児だったんんです。
先の大戦で母親を亡くして、それで独りになった俺を
今は
□竜宮:…………。
☆祈里待:早くに亡くしたとは言え、母の顔を何故か思い出せないんです。
なんかぽっかりと空いてしまったかのように……
でも、あのヒトはまるで母のように懐かしさを感じたのです。
だから、不思議なヒトだなって。
□竜宮:そうか……そうなのだな。
突然の訪問、すまないな。
お前にはこれからも十分働いてもらわないと困るからな。
☆祈里待:あ、あの……将軍様……
□竜宮:んっ?
☆祈里待:お願いしたい事があるんです。
□竜宮:なんじゃ? ひとつだけ何でも叶えてやろう。
☆祈里待:実は——
(間)
□竜宮:ふぅ……んっ?
●桔梗:あっ!
□竜宮:おや、
●桔梗:将軍様! 失礼いたしました!!
□竜宮:……お主は幸せ者じゃな。
●桔梗:えっ?
□竜宮:それではな、フフフ……
●桔梗:……どういうことだろう?
(間)
□竜宮:まったく、おもしろい奴じゃ。
本当に……
やれやれ、此度の
――これからが楽しみじゃ。
(終)
【声劇台本】活劇×龍櫻綺伝 序章/覚醒 篇『キミシニタモウナカレ』 家楡アオ @aoienire
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