僕と君と青嵐

@mamin-66

第1話

僕の主人はよく歌を歌っている。

僕に歌うこともあれば変な四角い『すまほ?』とやらにも歌う。

これは自慢だけど僕はかしこい。賢いからご主人と一緒に歌えるし言葉もなんとなくわかる。

この話はそんな僕とご主人の日常

『チリンチリン』と音が鳴りご主人が帰ってきた。今日はどんな歌を歌うんだろう?そんなことを考えながらもご主人の布団で転寝をする。

『ナツ〜ただいま〜』ご主人が僕に声をかける

『今日は何を歌おうね?』と言いながらギターを弾く。『〜♪〜♪』ご主人が歌い出す、それに合わせて僕も『ナーオ、ナーオ』と歌う。

この何気ない日常、当たり前が幸せだと僕は良く知っている。

全ての人間が優しいとは限らないと言うことも知っている。でもご主人は優しい。誰に対しても。ご主人の口癖は『優しさはいつか返ってくる。』だった。

その優しさを返すために今日も僕は頑張る。

あ、そうそう言い忘れてたけど僕は猫だよ、名前はナツ。ある夏の日にご主人に拾われたんだ。

ドタタタタ!急に走り出したと思ったら

『あ!今日ゴミの日だ!行ってきます!』

とご主人は家を飛び出した。

まあ、ご主人が帰ってくるまでは僕が拾われた話でもしてやろう。暇だしな、

"ある夏の日"といったけどその日は雨がとにかく凄かった。ご主人が梅雨と言ってた気がする。

そんな雨の日に僕は親に捨てられた。親の顔なんか覚えちゃいない。ただ"人間"だった。

僕は人間なんかクソ喰えと思いながら凍え死にそうな夜を過ごしていた。

人は皆見てみぬふり助けてなんかくれない

『あ、僕はこれから死ぬんだ。』そう悟り始めた時、ご主人に拾われた。その時は弱ってたし抵抗する気力なんかなかった。体力あったら絶対抵抗してた、うん。これだけは言える。人間なんかクソだと思っていたし、まあでも結果ご主人と会えて僕は幸せだから捨てた親も許してやろう。

ガラガラガラ

『ただいま!風ちょー強かったんだけど〜、続き歌お!』

ご主人が帰ってきたし拾われた話とかその後の話はまた今度にしよう。

しかしご主人、僕のお昼ご飯はまだかな?と言う思いを込め『ナーオ』この言葉も僕は大好きだ。ご主人と意思疎通を図れている気がする。

するとご主人は『ごめんごめんお腹空いたね』とご飯を用意する。ご主人は必ず僕と一緒にご飯を食べてくれる。まだ赤ちゃんと勘違いしてるのか?僕はもう1人で食べれる。

『食べ終わったらまた歌おうね。』

そんな僕とご主人と大嫌いな青嵐。

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