はんかくさいねぇ🍅

愛舞💯

バァバは笑うのだろう

 今の私を見たらきっと、バァバは笑うのだろう。


『なーに、はんかくさいねぇ』


 そう言って、笑い飛ばしてくれるのだろう。


 ずっと昔、一緒に暮らしていたバァバ。私の一番の味方だったバァバ。懐かしいバァバの部屋の記憶。今もちゃんと覚えてる。バァバの粕漬けが大好きだった。真っ青に染まった塩っけの丁度良いナスの漬け物も大好きだった。もちろんキュウリの糠漬けもいつも食卓には並んでいた。


 きっとバァバなら笑い飛ばすのだろう。頭でっかちになっている私を見て、カッカッカッと顔をしわくちゃにして笑うのだろう。


 そう、世界中で一番に私の味方、そして一番そばにいた存在。


 バァバ、今の私、ダメだね。いつからこんなに弱くなったんだろうね。バァバの畑の中を走り回っていたあの頃の私だったら、もっと元気に、そんなの平気!って、気にしないでいるよね。


 あーあ、いつからこんなに心が弱っちゃったんだろうね。


 きっとバァバがそばにいたら、一緒にバァバの部屋のソファに二人で座って、私の背中をバンバンはたいてるね。それでいつもの湯呑みで、煎茶を一緒に飲んでいるね。それで二人で、テレビ観ながらあーでも無い、こーでも無いって喋ってるね。


 それで私の手を触って、

『あんたの手はキレイだねぇ』って言うんだろうね。


 バァバの部屋の大きな窓から見る夕焼け。そして送電線にとまる沢山のカラス。そんな景色を当たり前のように毎日眺めていたね。


 大相撲もいつも一緒に観てたね。あの頃は千代の富士がすごく強くてさ。バァバと興奮しながら観てたっけ。


 懐かしいね。



 おやすみ、バァバ。土曜日にはバァバの部屋にお泊まりして一緒に寝るからね。そんな約束、いつもしてたね。






 

 そうだよね、私には強い味方がいるんだもの。そんな想い出があるんだもの。




『はんかくさいねぇ』


 バァバの笑う顔、ちゃんと思い出すからね。

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