第6話 文化祭本番

 五月に入り、学園祭の準備は終盤に向かっていた。物理同好会と化学同好会のプレゼンは最終段階にきていた。共に決めては人物の自伝であった。


 物理はシュレディンガーを化学はノーベルの伝記の上演であった。やはり、猫虐待とダイナマイトだ。ま、その辺は置いといて。私達、生徒会は最終プレゼンを受ける。うむ、双方よくできた内容だ。


 私が納得していると友美も絶賛する。結局、実験モノは解りやすさを追求すると幼稚になってしまうのだ。


 そこで出た結論が伝記である。


 そして、龍々祭当日……。


 双方の企画はシュレディンガーとノーベルの伝記のスライドショーである。午前と午後に別れて大会議室で講演が行われた。事前の宣伝が良かったのか大入りであった。


 これは勝者と敗者の区別が難しいな。そんな事を考えながら龍々祭が終わりに近づく。


 すると……。


 老紳士が声をかけてくる。


「この高校の生徒会の人かね?」

「はい」

「校長室は何処ですかな?」


 うん?何だろう?


「実は私はW大学の入試課の者ですが、この高校の文系における理科教育に感銘を受け。是非、推薦枠を作りたくてね」


 W大学と言えば名門難関私立大学である。どうやら、シュレディンガーとノーベルの伝記の講演を観たらしい。


 当然、この話は理事会に伝わり。少子化の為に行われるはずの文系選択科目の一本化は無くなった。


 終わってみれば嘘みたいな大団円である。


 週明け、私が生徒会室に入ると。


 ハイレグ水着姿の友美、澤田さんに駿河城先生、スミス先生の四人が居た。


「これから水着の回をやる。問題ないな?」


 友美の問いに頭をかきながら頷くのであった。このラブコメ生活はまだまだ続きそうだ。

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少子化により、文系の理科の選択科目が物理と化学どちらか一つになる事になり。 双方の生き残り大作戦。 勿論、エッチな場面もあるよ。 霜花 桔梗 @myosotis2

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