爆弾魔 VS 盗撮魔(全2話)
爆弾魔 VS 盗撮魔①
PM 4:07
シゲミに校長の幽霊について相談した女子生徒の1人、女子バレー部部長・ミカ。彼女に頼み、調査のために部室に入れてもらったサエとシゲミ。カズヒロとトシキは外の廊下で待機している。
10分後、部室の扉が開き、サエ、シゲミ、ミカが出て来た。
ミカ「さっきも言ったけど、部室の奥にいつの間にか
シゲミ「ありがとう。正直、何も分からなかったわ」
カズヒロ「収穫なしかー。なぁトシキ、校長は今度どこに現れるんだー?」
トシキ「そんなことボクに聞かれても」
カズヒロ「蛇の道は蛇。ド変態の道はド変態。トシキなら校長の行動を予測できると思ったんけどなー」
トシキ「百歩譲ってボクがド変態だとしても、校長みたいに卑怯な手で欲求を満たそうとは思わないよ。気になる子がいたら正々堂々、正面からアタックして砕けるね」
ミカ「ちょっと男子!学校行事感覚でワクワクしながら調査してない!?ウチら女子にとっては死活問題なんだけど!」
カズヒロ「分かってるってー。ド変態校長は必ず俺たち、いやシゲミが始末するよ」
ミカ「ほんと、男子って信用ならないわ。どいつもこいつも、将来的に
サエ「言い過ぎじゃな〜い?まぁトシキにはその気配があるけど〜」
シゲミ「ミカちゃん、ありがとう。私たちは引き続き
ミカと別れ、部室棟から校舎の昇降口に戻った4人。話しながら階段を上がる。
カズヒロ「次は女子テニス部に聞き込みに行くかー。1年生で意識不明になった子がいるらしい」
トシキ「意味ないんじゃない?校長は幽霊で痕跡なく覗きができるんだから、また後の祭りだよ」
サエ「校長のほうから来てくれると話が早いんだけどね〜」
4人が2階にさしかかった瞬間、女子の甲高い悲鳴が廊下に響いた。叫び声の主は4人からかなり近い。シゲミは左肩にかけたスクールバッグを手で押さえ、ジャッカルのように駆け出す。カズヒロ、サエ、トシキがその後を追う。
悲鳴は1年E組の教室から響き、突如止まった。シゲミが教室の後ろ側の扉を開け、前転しながら入室。数秒遅れてカズヒロたちもなだれ込むように教室に入った。中央あたりの机に覆い被さって倒れる女子生徒。その右隣に武里村が立っている。
武里村「やぁ、心霊同好会の諸君。私を探していたのだろう?居場所が分かるよう、この女子生徒に招待状を送ってもらったよ。悲鳴という名のね」
カズヒロ「てめぇ……それでも教育者か!」
武里村「“元”教育者だ。だからこんなことをしても心は微塵も痛まない」
武里村は意識を失っている女子生徒の長い髪を掴み、自身の近くへ引き寄せた。
武里村「この生徒はまだ生きているが、キミたちの行動次第では……殺してしまうかもなぁ?」
サエ「そうやってミキホも?」
武里村「ミキホ……ああ、
サエ「ミキホを……お前が意識を奪った人たちを元に戻せ!」
武里村「その前に、私の指示に従ってもらおうか……4人とも横一列に並べぇ!ペナルティキック止めるときみてぇに間隔をピッチピチに詰めてなぁ!」
シゲミ「……みんな目と耳を塞いで!」
武里村の指示を無視し、シゲミの指示に従って目をつむり、両手で耳を塞ぐカズヒロたち。シゲミはバッグから閃光手榴弾を取り出し、自身と武里村の間に投げる。閃光手榴弾が破裂。強烈な光と音により武里村は怯んで大きく後退し、女子生徒の髪を離した。
シゲミは一瞬で距離を詰める。倒れ込る寸前の女子生徒を抱え、腕を自身の首の後ろに回すとバックステップで武里村から離れた。
シゲミ「カズヒロくんたちはこの子を保健室へ」
カズヒロはシゲミから女子生徒を受け取り、背負う。
トシキ「シゲミちゃん!性犯罪校長が逃げるよ!」
武里村は教室の壁をすり抜け廊下に出た。シゲミも扉から廊下に飛び出し、走って逃げる武里村の後を追う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます