空手家キョウイチ VS 水人狼
ストロベリーを先頭に、屋敷の4階廊下にたどり着いたキョウカ、モモ、
再び床の匂いを嗅ぎ、ポコポコの母の居場所を特定するストロベリー。
ストロベリー「ワン!ワン!バウ!(かなり近い!引き続きついて来い!キョウカ様とそのお荷物ども!)」
廊下を走る5人。突き当たりにさしかかったとき、目の前の壁が崩れた。獣の遠吠えが聞こえ、壁の向こうから直立した狼が現れる。その全身は、ナガンが戦った
モモ「ヒィ!何ですかこの化け物〜!?」
撃山「次から次へとしゃらくせぇ!」
撃山は
撃山「豆鉄砲が効く相手じゃねぇか」
キョウイチ「みなさん、ここは俺が。ストロベリーに別のルートを探させて、そっちからポコポコの母のところへ向かってください」
最後尾にいたキョウイチが歩み出て、水人狼の目の前に立つ。
キョウイチ「早く」
キョウイチを残し、撃山たちは来た道を引き返す。
水人狼「ゴルルルル……」
キョウイチ「最近、人間相手だと負けることがほとんどなくてね。改めて身を引き締めるために、お前みたいな
水人狼がキョウイチの顔面を平手打ちする。その鋭い爪でキョウイチの左頬に4本の傷か付いたが、キョウイチは一切怯まない。
キョウイチ「こんなものか?もっと威力のある攻撃を見せてくれ。例えばこれくらいのな……
キョウイチが水人狼の腹部に掌底を見舞う。水人狼は体ごと大きく吹き飛ばされ、自身が崩した壁の向こう側に倒れ込んだ。
−−−−−−−−−−
匂いをたどっていたストロベリーがある扉の前で足を止める。
キョウカ「ここね。案内ありがとうストロベリー」
ストロベリー「ワン!ワン!(この程度、朝飯前を通り越して夕飯後です!)
撃山「開けるぞ!みんなどいてろぉ!ターボエンジン、オン!」
撃山は左のフットサポートを踏み、背もたれのターボエンジンを起動させる。エンジンから吹き出す炎の力で車椅子が急発進。撃山は両足をまっすぐ伸ばし扉を蹴り破った。
中は両壁に大きな本棚が並ぶ書斎。その最奥、机の向こう側でふかふかの椅子に座るポコポコの母。
ポコポコの母「来ちゃいましたか。まぁ、欠陥品どもになど欠片も期待してませんでしたが」
撃山「ポコポコの母ちゃんだな?俺はお前の息子を葬った張本人、撃山だ」
ポコポコの母「撃山……そうですか。ならばアナタは、私がこの世で最も殺したい人間です。来てくれたのはむしろ好都合」
ポコポコの母の左腕が液状化する。拳銃を構え臨戦態勢を取る撃山。
キョウカ「ちょっと待ってくれない?ポコポコくんのお母さん、私、アナタと話がしたいの」
ポコポコの母「……アナタは何者?」
キョウカ「ポコポコくんの親友」
−−−−−−−−−−
水人狼は腕を思い切り伸ばして床に爪を引っかけ、跳び箱を跳ぶ要領で前進。キョウイチに接近して正面に立つと右肩に噛み付いた。肩から出血するも、全く意に介さないキョウイチ。
キョウイチ「突進したのに敵の目前で着地しては勢いを付けた意味が無いだろ!もっと考えて攻撃しろ!」
キョウイチは肩に噛み付く水人狼の股間を右足で蹴り上げる。衝撃で跳ね上がった水人狼の胴体に、左足で後ろ回し蹴りを入れ追撃。再び吹き飛ぶ水人狼。背中から壁に衝突する。
キョウイチ「強靱な肉体に桁外れの重量、鋭い牙と爪。そのフィジカルは優れた武器だ。しかし持ち主の頭が弱くては宝の持ち腐れ」
キョウイチは水人狼に向かって大きく飛び上がり、右足を高く上げた。そして思い切り振り下ろし、かかとで水人狼を頭から股間まで両断する。切り裂かれた水人狼の体は
キョウイチ「ここ数日、小学生たちの指導をしてたからちょっと説教くさくなってたかな」
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