ゴースト・ティラノサウルス VS 爆弾魔シゲミ②
ティラノサウルスは雄叫びを上げると、口をほぼ180度になるほど縦に大きく開き、シゲミに噛みつこうとする。直後、ティラノサウルスの後頭部に何かが当たった。首だけを回して背後に視線を向ける。カズヒロ、サエ、トシキが石を拾い、ティラノサウルスに向かって投げつけていた。
カズヒロ「オラァ!俺らが相手だゴミクズ!」
サエ「いつまでもシゲミの足手まといはゴメンだよ!」
トシキ「今度はボクがシゲミちゃんを助けるんだ……こっちに来い!脳みそスッカラカン!もう一度絶滅させてやる」
🦖「ゴルゥゥゥゥゥアァァァッ!(そんな石コロで恐竜が絶滅するかぁ!隕石でも降らせられれば話は別だが、出来はしまい!ふはははははっ!)」
ティラノサウルスは体ごと3人のほうを向く。必死に石を投げ続けるカズヒロたちだが、ティラノサウルスはいくら体に石が当たったもリアクション一つ取らない。
🦖「ゴルルゥ……(貴様らは殺すように命じられていない。もしポコポコ様の友達になるというのなら、
当然3人とも、ティラノサウルスの鳴き声だけでその意思を汲み取ることなどできない。最後に投げたトシキの石が、ティラノサウルスの右目に命中。はじめて
🦖「ガルラァァァァァァァァァッ!(あーもう頭来たっ!余、食うっ!お前らも食うっ!マジで食うっ!骨まで食うっ!)
今までで最も大きな咆哮を耳にし、完全に萎縮してしまった3人。その場で腰を抜かす。ティラノサウルスは頭を横に倒して大きく口を開けた。3人まとめて飲み込むつもりだ。
死を覚悟したカズヒロたち。そのとき、ティラノサウルスの背中の上をシゲミが颯爽と駆け抜け、3人の目の前に着地した。
🦖「!?」
ティラノサウルスは背中に違和感を覚える。背後へ首を回すと、四角い何かが尻尾から首元にかけて9つ張り付いているのが見えた。
シゲミ「友達が命懸けで作った隙を、私は絶対に逃さない」
シゲミは両腕を広げ3人を地面に押し倒す。そして右手に握っていたC-4の起爆スイッチを親指で力一杯押した。ティラノサウルスの背中で9回、爆発が起きる。
🦖「ゴガアァァアァァァアアッ(な……余が……まさかぁぁぁぁっ!)」
ティラノサウルスの体は爆発とともに崩れていき、頭がゴトンと地面に落ちた。数秒後、頭を含め全身が霧散。ゴースト・ティラノサウルスはこの世から完全に消え去った。
3人の上に覆い被さったまま動かないシゲミ。
カズヒロ「おいシゲミ!生きてんのか!?シゲミー!」
サエ「シゲミ返事して!」
トシキ「シゲミちゃん!」
シゲミ「……きゅ、救急車……」
カズヒロがシゲミを背負い、サエが119番に連絡し、トシキが
<ゴースト・ティラノサウルス VS 爆弾魔シゲミ-完->
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