誓い
フキヤドクガエルビルでの戦いから2日。予定されていたポコポコ様復活祭は中止され、教団の活動は沈静化しつつあった。
AM 11:30
東京都内某所
コンクリートが剥き出しになり、窓ガラスのほとんどが割れた汚い廃ビルに集合した
3人の前には黒スーツに銀縁メガネをかけた男。ノートパソコンを開いて立っており、画面にはポコポコ教幹部の暗殺を依頼した老爺の上半身が映っている。
男「幹部について、フォカッチャは撃山様が死亡を確認。
シゲミ「キョウイチくんの容体は?」
男「現在、大学病院で入院中です。全治4ヶ月だそうですが、命に別状はありません」
胸を撫で下ろすシゲミと田代。ゴリラな背後霊との戦闘を任せた上、大怪我を負った姿を見ていた2人にとって、キョウイチの安否はずっと気がかりだった。
老爺「私が想定していた結果とは少し違うが、幹部が機能しなくなったことには変わりない。これでポコポコ教は統制が取れなくなった。崩壊するのも時間の問題だろう」
田代「日本の教団はな」
シゲミ「ポコポコ教の信者は世界中にいるらしいから、教団はいくつにも枝分かれしているはず。私たちが壊せたのは日本で活動している組織だけ」
撃山「肝心のポコポコも復活しちまった。今はおとなしくしてるようだが、この先何をやらかすかわからねぇ。信者たちもポコポコを
10秒ほど沈黙が流れる。
老爺「キミたちはどうする?ポコポコとその信者をまだ追うかね?」
田代「ヤツと接触するのはリスクが高い……それに拙者としては日本の教団が崩壊し、教え子がポコポコ教と関わらなくなるのなら、ひとまず目標は達成だ」
シゲミ「私も同級生を取り戻せた。そもそも私と田代さんはポコポコの邪気を受けると動けなくなってしまう。また戦うにしても戦力になるかどうか……」
撃山「俺は邪気の影響を受けない。だが、ポコポコには邪気以外にも常識はずれな力があるみてぇだ。俺が撃った弾丸がアイツを避けるみたいに飛んだ。外れたんじゃなく、弾が自分から避けたんだ」
田代「邪気に耐えられたとしても、ようやく同じ土俵に上がれる程度といったところか」
撃山「しかし、ヤツは過去に一度除霊されたことがあると言っていた。つまりポコポコを
撃山の目には覚悟の炎が宿っていた。そんな撃山を見て、考え込むシゲミと田代。
田代「拙者らはポコポコと接触できない。だから撃山殿、
シゲミ「私も。一度乗った船だから」
撃山「田代のとっつぁんにシゲミ嬢ちゃん……恩に着る」
老爺「なら、言い出しっぺの私が協力しないわけにはいかんな。キミらに支払う予定だった報酬、合計60億円が手元にある。この金はキミらがポコポコ教を追うための軍資金として使うがいい。世界中の信者を相手にするなら、金はいくらあっても困らないはずだ」
撃山「スポンサーまで付いちまうとは。恵まれてるな」
老爺「だが撃山よ、まずは足の治療を最優先にしろ。その間、ポコポコとその信者の動きはここにいる私の部下・
男(剣崎)「お任せください」
老爺「ともあれ、キミたちの働きには感謝だ。引き続きポコポコ教の打倒を目指すぞ」
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PM 10:15
東京都・新宿
服来の体で歌舞伎町を歩くポコポコ。服装は上下白のスーツ。10分ほど前「肩がぶつかった」と因縁をつけてきて、路地裏に来るよう言ってきたイカつい男4人組の一人から
ポコポコ「ゲームセンターにカラオケ!ビリヤード場!ガールズバー!思った通り、オレの知らない遊び場がいっぱいあるやん!あと2年くらいは遊びまくろかな?」
徐々に力を蓄えているポコポコ。撃山・シゲミ・田代の戦いはまだまだ続く。
<ポコポコ様の復活祭前夜戦-完->
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