ポコポコ教襲撃戦(全8話)
依頼
東京都内某所
コンクリートが剥き出しになり、窓ガラスのほとんどが割れた、汚い廃ビルの一角に集められた3人の男女。
白いタンクトップの上から拳銃用のホルスターサスペンダーを装着し、ジーンズを履いたスキンヘッドの男性・
青い和服で左腰に日本刀を帯びた
ブレザーを着て右肩にスクールバッグをかけた女子高生・シゲミ。
3人の前には黒スーツに銀縁メガネをかけた男が、ノートパソコンを開いて立っている。画面には
男「我が
老爺「集めた3人のうち2人がスキンヘッドとは。ドラゴンボールを読んでるかと思ったぞ」
撃山「世界一ナイスなヘアスタイルだ。そんなことより、本題を話してくれよ」
老爺「私は以前から
シゲミ「ポコポコ教……」
シゲミは両の拳にギュッと力を入れる。
老爺「この教団が存在し続ける以上、猿井一人を殺したところで大した意味はない。幹部全員を消し、教団そのものを
田代「拙者の教え子もポコポコ教のイベントの参加者を集めていた。早く叩かなければ、どんどん拡大していくだろう」
老爺「
撃山「俺の同僚、
老爺「そしてポコポコ教が主催するイベント、ポコポコ様とかいう神の復活祭が明日開催されるそうだ。その前準備として、今夜幹部の数名があるビルに集まるとの情報を得た」
パソコンの画面上、老爺に被さるように5階建てのビルの航空写真が表示される。ビルの周囲数十mは空き地になっている。
老爺「東京・練馬区の
男「先ほど皆さまのスマートフォンに、『フキヤドクガエルビル』の位置情報と、今回のターゲットである幹部4人の名前および顔写真のリストを送りました。これらは教団に潜伏した私の部下が集めた情報で、正確性に関しては保証します」
3人はそれぞれスマートフォンを取り出し、画面を見る。リストにあるターゲットは次の4人。
エセエクソシスト・フォカッチャ
製薬企業研究員・
食品メーカー会社員・
シゲミ「トシキくん、たった数週間でもう幹部に……別の方向にその才能を活用できなかったのかな?」
老爺「此奴らを始末できるのは、怪異と戦い勝利した経験のあるキミらだけだ!殺し屋デカ撃山!爆弾魔シゲミ!かまいたち戦いニキ田代!」
撃山「細かいけど『元』デカだ。今は警備員だよ」
シゲミ「私は訂正なし。けっこう気に入ってる」
田代「拙者は不服だ。もっとカッコいい異名が欲しい」
老爺「成功した
シゲミ「報酬はいらない。私は同級生の目を覚ましに行く。その機会をくれてありがとう、おじいさん」
田代「拙者も報酬は不要。拙者の本来の使命は、子どもたちを危険から守ることだ」
撃山「じゃあ俺もいらねぇ。服来を取り戻せればそれで良い」
老爺「……いやはや、なんと礼を言ったら良いか。金で動く殺し屋ならいくらでも雇える。しかし今回の依頼は、報酬など無くても確固たる覚悟を持って臨んでくれる殺し屋に依頼したかった。そう、キミたちのような」
シゲミ「……えっ、本当にくれないの?」
田代「こういう場合のマナーとしてまずは断ったけれど、建前のつもりだったのだが……」
撃山「金なんて欲しいに決まってるだろ」
老爺「なんじゃい!結局お前らも金かい!」
撃山「冗談だよ。タダでやるよ」
老爺「マジで頼むぞ。現在の時刻が午後5時。遅くとも明日のイベントが開始される朝10時までに片付けてくれ」
シゲミ・田代・撃山「了解」
老爺「では健闘を祈る」
男はノートパソコンを閉じた。
男「ここからは、撃山様をリーダーとして行動をお願いします。詳しい作戦や暗殺の手段などは問いません。完了しましたら、この場所にお集まりください」
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