服来の秘密(全2話)
服来の秘密①
AM 0:30
両脇に並ぶ店は全てシャッターが閉まり、静まり返った商店街。その中心を横並びで歩くスキンヘッドの中年・
服来「さっきはビックリしましたね。暴走した首無しライダーが工事現場に突っ込んで来るなんて」
撃山「俺の
撃山は右腰に下げた拳銃のホルスターを触る。
服来「本当に運が良かったですよ。撃山さん、首無しライダーが乗ってるバイクのガソリンタンクを撃って大爆発したのに怪我人が一人も出なかったんですから」
撃山「チョロチョロ動く敵は、まず足を奪うのがセオリー。それに9ミリパラを細々と撃ち込むより爆発させたほうが確実に仕留められる」
服来「今回も何とか無事でしたけど、大丈夫なんすかねボクら。何度も怪現象に襲われて、その度に騒動を起こして……将来が不安で仕方ないですよ」
撃山「そんな俺らを気に入って、今の社長がスカウトしてくれたんだろうが。それに幽霊だのミイラだのと戦うのは俺なんだから、お前は気にしなくて良いんだよ。それでも不安なら、占いでもやってみるか?俺は信じないタイプだが」
撃山がアゴで商店街の先の方を指す。約20m前方、シャッターが下りた100円ショップの前で、肩まで伸びた白髪の老婆が背の低いイスにちょこんと座っていた。老婆の目の前には紫色の布で包まれた机があり、その上には「占」と書かれた小さな
机を挟んで老婆の前に立つ撃山と服来。老婆は2人を見上げると、大きく目を開きぎょっとした表情を浮かべた。
撃山「おい、ねぇちゃん。俺ら2人の人生を占って」
老婆「アナタ!スキンヘッドじゃなくて若いほう!アナタは只者じゃない!」
服来「えっ?ボクがですか?」
服来は自分の顔を指差す。
老婆「アナタは強烈な邪気を放っている!私は占いを60年やっていますが、こんな邪気の掃き溜めのような人間、見たことがない!」
撃山「おいおい邪気って。服来は邪気なんて言葉とは縁遠い、物腰の低い気弱な人間だぞ」
老婆「本人の性格や気質とは関係のない先天的なもの……服来さんとやら、今まで、身近な人に不幸が立て続いたことはありませんでしたか?ご家族以外、友人とか恋人とかに」
服来「う〜んと……ああ、ありますね。これまで付き合った彼女、5人全員自殺してます」
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