異文化交流暗殺②
翌日 AM 10:30
2時限目のチャイムが鳴ると同時に、シゲミが在籍する2年C組の黒板に近い扉が開いた。若い女性の英語教師・
教卓の前に並ぶ2人。間倉が生徒たちに向かって口を開く。
間倉「これからグローバル社会を生きていく皆さんには、本場の英語に触れてもらいたいと思っています。なので今日からしばらく、アメリカ出身のロバート先生に講師をお願いすることになりました!ロバート先生、ご挨拶を」
ロバート「Good morning everyone!ボクの名前はロバートデス!皆さんに英語の調教をするために来ましタ!好きな食べ物はハンバーガーで、テニスが趣味デス!」
間倉「ロバート先生!調教はダメです!普通に『教えに来ました』でいいんですよ!それに英語でしゃべってくれないと生徒たちの勉強になりません!」
ロバート「Ms.間倉、頭がカチカチに固まってマスね〜!心と心に距離があっては英語なんて一生身に付きませんヨ!大切なのは歩み寄りデス!まずは相手の言語で交流し、心の壁を取り払うべきなのデス!」
ハキハキとしゃべるロバートを、教卓に一番近い席から見つめるシゲミ。「昨日の悪魔はコイツの差金か」と察する。ロバートは表情こそ朗らかだが、まとっている雰囲気は南極に吹くブリザードのように冷たく、生きている人間のものではない。
ロバートはシゲミの豹のような眼光に気付き、これまでの倍くらい口角を上げ、明るい笑顔から不気味な笑顔に一変させて話しかける。
ロバート「Oh!Hotな視線に焼かれちゃいそう!私の顔に何か付いてマスか?」
シゲミ「……It's quite roundabout. You pretend to be a teacher. You have a business for me, right?(まわりくどいわね。先生のフリなんかして。私に用があるんでしょ?)」
ロバート「Well……What are you talking about?I have no idea.(ええと……何のことを言ってるんだい?ボクにはさっぱり分からないな)」
シゲミ「It's no use trying to get devils to kill me. If you want to kill me, you should do it yourself.(悪魔に私を殺させようとしても無駄。もし私を殺りたいなら、アナタ自身でやらないと)」
ロバート「……HAHAHAHA!Did you find out?As you say, I came from America to kill you.(……はははは!バレてましたか?アナタの言うとおり、ボクはアナタを殺すためにアメリカから来ました)」
間倉「……シ、シゲミさん、そんな流暢に英語話せたの?というか何て言ったの?」
シゲミ「間倉先生、放課後にロバート先生とお話ししたいのですが、構いませんか?彼、私に用があるらしくて」
ロバート「ボクもぜひMs.シゲミとお話ししたいデス!こんなに英語を話せる日本の人と会ったのは久しぶりデスからネ!」
間倉「ええ、いいですけど……」
シゲミ「ではロバート先生、お仕事が終わったらこの教室に来てください。何時まででも待ってますから」
ロバート「Thanks!話が早くて、とても助かりマース!」
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