Dog Owner②

末田「コラ!ビビるなストロベリー!お前なら殺れる!ヒグマと戦ってきたあの日々を思い出せ!」


ストロベリー「クゥゥゥン(ヒグマと戦ってきたあの日々が平穏で幸せだったと感じる……)」


ティラノサウルス「グルルッ!(で?やるのか?やらないのか?)」


ストロベリー「キャゥゥン……(な、何をおっしゃいますか!やるわけないじゃないですか!私の負けです!敵うわけがありません!)」


末田「弱気になるなストロベリー!お前は地上最強の獣だ!」


ティラノサウルス「グルルラァッ!(ほう?余を差し置いて地上最強とな?)」


ストロベリー「バウッ!(あのゴミムシがほざいてるだけでございます!私は決して最強などではございません!)」


ティラノサウルス「グググゥ!(まぁそうだろうな。だが、貴様もそれなりには強そうだ。少なくとも、あの人間よりは強いのではないか?)」


ストロベリー「ワゥゥン(そうだと思います!あんな老体、一捻りですよ!)」


ティラノサウルス「ゴルラァッ!(ではなぜ貴様はヤツに従っているのだ?)」


ストロベリー「ワウ…ウウン(そ、それは……古来より人間と私たち犬は主従関係にあり、養ってもらう代わりにあらゆる命令を聞いてきました。その名残でございます)」


ティラノサウルス「ゴルァッ!(窮屈ではないか?貴様はあんなゴミに従わなくても、個として生きていけるだろう?せめて、もっと優秀な主人の下で働くべきだ)」


末田「何をゴチャゴチャ吠え合っとる!?はよう仕留めろストロベリー!)」


ティラノサウルス「ゴルルルルッ(どうする?余に忠誠を誓うのであれば、お前を食い殺しはしないぞ。余は、あのゴミ人間のような無茶を貴様に強いることはない)」


ストロベリー「……」


ストロベリーは末田のほうを向き、一直線に走り出した。そして走る勢いのまま末田に飛びかかり、首に噛み付く。大量の血が吹き出し、ストロベリーのベージュ色の毛が赤く染まった。


末田の胴体と首を引きちぎるストロベリー。そして末田の首を咥えてティラノサウルスの目の前まで運び、地面に落とすと、伏せの体勢になった。


ティラノサウルス「ゴアァァァァッ!(やはり貴様は、力ある者に尻尾を振るしかない犬か……それも良いだろう。これからは余が貴様の主人だ。ついて来い)」


ティラノサウルスとストロベリーは、山の奥へと消えていった。


<Dog Owner-完->

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