コックリ暗殺②

コックリ「お前らは、ここからもう出られない……お前らが死に、この部屋が新しい心霊スポットになるのだ……」


トシキ「で、出たぁぁぁぁっ!!!」


サエ「コックリ〜〜〜!?」


カズヒロ「マジのコックリだー!おいトシキ、撮ってるかー!?」


コックリ「お前ら……『さん』をつけろ!さっきからコックリコックリって呼び捨てにしやがって!」


全身の毛が逆立ち、眉間に皺を寄せ、4人をにらみつけるコックリ。


サエ「あ〜、たしかに呼び捨てしてたね〜」


シゲミ「でもコックリは低級霊だから、敬う必要ないと思うんだけど」


コックリ「とにかく、このワシを怒らせたお前らには、ここで一生を終えてもらうことにした……その娘の言う通り、低級霊のワシには人間を4人も呪い殺すような力はない……だが、この部屋を現世から隔離して、外に出られなくすることくらいはできる」


トシキ「そっちの方が難しそうじゃない?」


カズヒロ「そうだぜー!コックリごときが調子に乗るなよなー!」


カズヒロは実験室の扉を開けて外の廊下に出た。が、中に入ってきた。もう一度廊下に出るが、やはり実験室の中に戻って来てしまう。


カズヒロ「おいおいおいおいー!マジかよー!廊下は見えてるのに出られないー!?」


トシキ「窓も開かない!鍵はかかっていないのに!」


コックリ「だから言っただろ、出られないと!お前らは飢え死にするのだ。あるいは殺し合い、お互いの血肉を貪ることになるかもしれんな……殺されるより、よほど苦痛だろう……ケッヘッヘッヘッ……」


シゲミ「なら、外からはどうなの?外にいる人なら、この実験室に入れるんじゃない?」


コックリ「ああ、できるぞ。だが、中にいる人間が増えたところで何になる?ゴキブリホイホイにかかったゴキブリの数が増えるのと同じだ」


サエ「しかも明日から夏休みっしょ?誰も来ないんじゃな〜い?」


トシキ「先生とか、部活動の生徒とかは来るだろうけど、実験室は誰も使わないだろうな……」


カズヒロ「ってことは、夏休みが終わるまでここに閉じ込められるってことかー!?食い物も飲み物も何も持ってねーよ!」


サエ「どうしよ〜!野垂れ死ぬのなんてイヤ〜〜!!」


トシキ「……そうだ!シゲミちゃん!前みたいに、このアホギツネを爆弾でぶっ飛ばしちゃってよ!できるでしょ!?」


シゲミ「そうしたいけど、リスクが大き過ぎて無理ね」


シゲミは、いざというときに備えてスクールバックの中にC-4をいつも入れている。それを使えば、今すぐにでも実験室を丸ごと爆破できるだろう。もし実験室にある薬品に引火すれば、低級霊のコックリなら軽く200匹は吹き飛ばせるほどの大爆炎になるはずだ。しかし爆炎が大きくなればシゲミたちも火に巻き込まれる可能性が上がり、最悪の場合、全員死ぬ。

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