私の気持ち

愛沢深愛side――――――――――――――


「大葉くん。私の相談役になってもらえませんか―――――――――――――」



私のお願いに了承してくれた彼は、学校から、門から出た。

そして、私の後ろからは沢山の生徒達が帰ろうとしている。

その生徒達は、今どんな心情だろうか。

やっと家に帰れるという嬉しさか、友達と何処いこうかなとウキウキしている楽しみか、

私は、そんなのではない。

私の中には、ずっと淡い熱い感情、これは

恋だ。

いつだろうか、私がこんな感情を抱き始めたのは。

初めから分かっている。

この感情を抱いたのは、あの日、駅での事だ。


私は馴れない人付き合いに痺れを切らし、気分転換に一人で、遠い所に行こうとした。

そんなとき、偶然か、はたまた、必然なのか、私は運命な出会いをした。

ある不審な人が私にナイフを向けて向って来ているのを、震えで動けなかった時に、私を助けてくれた男。


誰が助けてくれたのだろうと、その男の方を向くと、そこにはもう居なかった。

でも、視界の端っこに、走っていく男が映った。

その時だろう。

私が彼にこの感情を抱いたのは。


私は、その日から変わった。

一日中、私は彼のことを思うようになった。

そして、私は彼のことを知りたくなり、あの時に来た警察に彼のことを聞いた。

しかし、警察は、プライバシーに違反するから答えられないと言われた。

普通なら、そこで私は残念に思うだけなのに、私は警察に向かって、


チッ使えない―――――と思ってしまった。


私は自分がそう思っていたことに目を見開いてしまった。

その日を堺に、彼に会いたい欲が強くなってしまった。

まずは彼を見つけるために、あの日を振り返って、彼の特徴をメモっていった。

我ながら、私の記憶力と洞察力はよかった。


そして、その特徴をもとに、彼を探し回った。

しかし、どんなに探しても見つからなかった。

そんな諦めかけている時、ある一人のクラスメイトが映った。

私はその彼に目を惹かれてしまった。

そして何故か、私は彼の名前を覚えていた。

大葉大智、それが彼の名前だった。


私は急いで、特徴を彼に照らし合わせた。

そうすると、全部、当てはまった。

しかし、偶然かも知れない。

だから私は、彼に聞くことにした。

私が探しているの人はあなたではないのか、と。

でも期待していた答えは出なかった。

私を助けたってことは、あの人は私の事が好きなはず。

両思いだ。

嘘をつくはずがない。


しかし、よく彼を見てみると、私がメモしていた特徴で、一つ当てはまらないものがあった。

それは、目の下にほくろが無いことだ。

目の下にほくろ。そんな特徴は、世界で集めても少ない。

やっぱり彼も違うのか、と思い教室へ戻ろうとしたとき、ふと彼の目の下に何かが貼ってある事に気がついた。

よく見ると、小さな絆創膏だった。

何故目の下に………と考えていたとき、

頭によぎったのは、目の下のほくろ。

最後の特徴だ。

私は確認すべく、彼に言い寄ろうとしたとき、チャイムがなった。

その直後彼は教室に戻った。

その後ろ姿が、あの日と同じだった。


そこから私も教室に戻り、まだ証拠が足りないと思っていると、先生から、決め手となる言葉が出た。

それは―――私を助けた彼は、この学校の生徒だと。


【【ブチッ――――――――――――――】】


私の何かがに切れる音がした。

絶対に彼だ。

助けてくれた運命の人。

私の黒い何かが、沸々と、まるで湯気のように湧いてきた。

そんな喜んでる中、ある疑問が頭に浮かんだ。


【【何故彼は私に】】


私の中にあった喜びが消え、言葉では言い表せないものに変わった。

放課の間、私は彼に、大葉くんにそれについて聞こうと思っていたのに、周りの人間によって邪魔されていた。

どうしよう、と思っていた時、彼が廊下に出ると同時に、私も用があると周りの人間に言い、その後、彼をつければいいと思って、ずっと我慢していた。


なのに彼は、廊下に一度も出なかった。

まるで、私が狙っていたことを知っていたかのように。

彼と話すことに頭がいっぱいになり、授業どころではなかった。


そして、最後の授業が終わり、彼の方を見ると、もう既に居なかった。

私は、急いで支度をし、彼のもとへ走った。

そうすると、門を通ろうとしているのを、私は、止めた。


彼、大葉くんは私を見るなり、怯えているような、拒絶しているような目をしていた。


なんでですか? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで?


と頭の中が埋め尽くされた。


大葉くんは、私の事、好きなんですよね?

私の事、好きだから助けたんですよね?

もしかして、照れ隠しですか?

ふふ、そうならそうと言って欲しいものですね?


今私は、どんな顔をしているか、検討もつかないし、考えてもいない。


もう確定だ。

大葉くんが私の運命の人。

だから私は最後の確認をした。


【【あなたが私の運命の人ですよね?】】


長い沈黙の中、静寂を破ったのは彼だった。

彼の答えは、


〃違います〃


拒否だった。

私は狂いそうだった。

いや、あの日から既に私は狂っているのかもしれない。

私は、どうかなりそうだった。

好きな相手に、運命の人に拒否られた。


【【ブチッ―――――――――――――】】


私の中の、何かがさらに切れた。

私の頭の中によぎったのは、


【【もう、彼を―――――監禁しよう】】


ちょうど、私の鞄には、念の為に用意していたいい物が入っている。

それを使おうと彼に手を伸ばそうとしたとき、

後ろから、沢山の声が聞こえた。

その声の正体は、今から帰ろうとしている生徒達だった。

そこで私は、我に返った。


これを見られるわけにはいかないと思い、

最後に彼へお願いをした。


「大葉くん。私の相談役になってもらえませんか」


彼は快く了承してくれた。

相談役というのは、彼に合うための口実だ。

相談役という立場であれば、会ってくれるであろうという考えだった。


そして私は、彼が帰るのを見送った。









あ、そういえば、大葉くんの家知りませんでしたね―――――――――――――




――――――――――――――――――――


本当は一話にまとめるつもりだったのですが、長くなったので分けました。

さて、ヤンデレ、如何だったでしょうか。

更新頑張るので応援宜しくお願いします。


あ、みなさんのヤンデレってどういうイメージですか?

ぜひ書いてくれると嬉しいです。

ワンチャンそれを取り入れるかも?

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ピンク髪の少女は、だいたいヤンデレなので、関わらないようにしてたのに……なんで? ふおか @Haruma0000

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