第二章 立川凛太郎3

「僕はね、昔2年生の担任をしてたんだけどさちょっと色々あってね」


と、話す立川先生。


「え!立川先生って昔担任してたんですか!」


と少し驚く僕、そう立川先生は僕がこの高校に入ってからはずっと生活指導の先生を務めていたため、担任をやっていたのは少し驚いた。

この学校では生活指導の先生は担任や副担任などにはつけないので入った頃からずっと生活指導をしていたと思っていた。


「まぁ、6年ぐらい前だけどね…」


と言う立川先生


「なんで生活指導の先生になったんですか?」


と気になった僕は言う。

相当の事がない限り生活指導の先生には飛ばされないため聞いてみた。

すると立川先生言おうか言わないでおこうかみたいな顔をしたがこう言った。


「少しトラウマがあってね、それから生活指導に行ったんだ」


なんとも返しにくい答えが帰ってきた…

なんて言おう…


「あぁ、そうだったんですね…」


と何とかはぐらかしながら言った。


「…気になる?別に話せないわけじゃないから」


と言ってきた。


「あ、まぁ気には、なりますけど…」

「まぁ、相談に乗ったって感じで聞いてよ」


「僕の受け持った生徒がさ、自殺しちゃてさ」


と、衝撃的なことを言った立川先生。


「その子にはさ、夢があったんだよでもその夢がねとっても大きい夢だったんだ。でも、その子はね決して諦めなかったんだ何度も何度もその夢に向かって頑張ってたんだ。でもね、なかなか結果が出せなかったんだ。」


と悲しそうな顔で言う立川先生。


「そしてついに″限界″が来てしまったんだ、ずっと頑張ってた、ずっと苦労してた、でも思うよな結果が出せなかった。学校でも疲れが溜まって見えてたから、定期的に大丈夫?と声はかけてたんだけどね…それじゃぁダメだった。もっと話しておくべきだったもっと親身になっておくべきだった…悩み事がないか、ちゃんと聞いておくべきだった」


立川先生の顔に光が見えた。


「僕はね、昔から流されて生きてきたんだ言いたいことも言えずずっと、そんな自分を変えたくて先生になったんだけどね、何も変われなかったんだ。できることならあの時少しでもあの子を少しでも[変えて]あげれたらなって、いつも思うんだ。自分すら変えられないくせにね…あの子は夢を叶えて世界へと咲きたかったんだと思ってるよ。」


と話す立川先生


「そんな過去があったんですね…」


「ごめんね、こんな話しちゃって少し脱線もしたかな、今日は話を聞いて貰ったお礼とはいかないけど今日の補習はもう終わっていいよ、今日は人も少なかったし」


と言う立川先生。


「とんでもないですよ、なんかこっちまですいません」


と言う僕。そして1つことが分かった気がする。


「もしかして、お見舞いにきたのってこのことがあったからですか?」


と聞く僕。


「まぁそうだね、8割りぐらいね、そんなことがあったから心配してね、」


そして立川先生は続けて言う。


「人は思ったより変化に気づきにくんだよ、本人にとってはだいぶ変化していてもね。あの時もしかして、と思って咄嗟に事情も聞かず病院に運ばれたって情報だけでお見舞いに行っちゃたよ。」


と少し笑いながら話す立川先生。


立川先生はとてつもな苦労して生きて来たんだなと思った僕であった。

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