第15話 白みその雑煮は一晩で透明になる
新年、あけましておめでとうございます。今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
何か月も更新せず、年末の挨拶もせずに2025年を迎えてしまったことに今更ながら気づいて慌てて書いています。といっても読んでくださる方はそう多くはないのでそこまで焦る必要性はないのですが。
さて、これを読んでくださっている皆様はお雑煮を食べましたでしょうか。うちは父が大阪出身で毎年大阪に里帰りしていたので、私にとっては白みそで丸もちのお雑煮の方が親しみがあります。でも昔、まだ親戚が曾祖母の家に集まっていたころは、一日目に白みそ、二日目に出汁のお雑煮を食べていました。祖母はもともと和歌山の人で、お雑煮はお出汁でした。ですが祖父の家に嫁いだため、その習慣にならって白みそで作っていました。しかし祖母は白みそのお雑煮はあまり好きではなかったようです……笑。そこで、みんなが集まる曾祖母の家では一日は白みそで、祖父母の家ではお出汁のお雑煮を食べるという、かなり贅沢なお正月を過ごしていました。
当時小学校低学年ほどだった私はここで、ありえない思い込みをしていました。白みそのお雑煮は一日経つと透明になるのだと。
まず作っている場所が違うし、一体どういたらそんなことが起こるのだろうと、よく考えればわかる話なのですが、当時の私は本気で透明になるのだと思い込んでいました。お正月、誰かしらにこの話をすると「うそでしょ!?」と笑われ、私もつられて笑ってしまうのですが、同時に心の奥でじんわりと、懐かしさやもの悲しさが広がる様な感覚を噛みしめるのがここ数年の私のお正月です。
ただ、思っただけ 2024年ver. @pianono
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