ただ、思っただけ ２０２４年ver.

第14話 恋じゃないと思いたい。

　小学生も高学年になってくると、女子なんて特に恋愛に興味を持ち始めてコイバナが盛んに繰り広げられるじゃないですか？私はそういうとき、一貫して

「私はしてないな～」

と、返すようにしていました。最初のうちは本当にそうだったからいいんですけど、問題は中学生になったくらいからでして、今思うと、ちゃんと好きな人がいたのに同じように返していたんです。なんなら「これは恋だ」と自覚しないようにしていました。なぜなら恋をする自分が嫌だったから。

　これがね、一途に一人の人を追いかけられていたらまだ素直になれたんです。ただ、私は質の悪いことに「熱しやすく冷めやすい女」。些細なことで人を好きになってしまう傾向があります。親切にしてもらったり、優しい言葉をかけてもらったり、などなど大して付き合いのない人、初対面の人でも秒で好きになってしまったことは多々あり。（逆もあります。第一印象で無理と思ったら一生無理です）つまり、今日まで何度も人を好きになっては冷め、を一人で繰り返しているのです。好きになった人は果たして何人いるのやら……。

　人からそういう人（軽い女、みたいな）とみられるのは嫌だし、なにより自分自身そういう人間だと思いたくない。だからずっと「きっと恋をしているであろうこのもやもやした気持ち」を否定し続けています。今も（たぶん）気になる人がいてもやっているのですが、「いや、恋じゃないでしょ」という自分と「恋でしょ」という自分がせめぎ合っています。

　ちなみに告白したことは一度もありません。これまた面倒くさい理由があります。ずばり、私は一人の時間を大切にしたいからです。もちろん、誰かと一緒にいることが嫌だとか、苦痛だとかはないです。ただ、どうしても「完全にリラックスしている状態」を作れるのは一人で誰ともしゃべらない環境でしかなく、それがないとどうしても心のバランスが保てないことがあります。基本期待はしていませんが、もしも私とお付き合いしてくれるような人が奇跡的に現れたとしても、その人とほぼ毎日会わなければならないというのは、やはり苦しいです。特に今は学校、サークル、バイトでいっぱいいっぱいで自分の時間を作るのがやっとなので、そこに新しく何かを入れたいとはあまり思わないです。強いて言えば本当に付き合いの長い友達と遊びに行くくらい。だからこそ、余計に誰にも言ってこなかったのかも。言ってしまったら告白に向けて応援されてしまうかもしれないから。

　じゃあなぜ今ここでこんなくだらないカミングアウトをしてしまったか。前に言ったことと矛盾しますが、誰かに聞いてほしかったからです。ここでなら誰かの目に触れるかもしれないけど、その読者の人と毎日会ってコイバナするわけじゃないし、きっとこの先「そういえばあの話だどうなったの？」なんてことにはならない、はず。とにかく少しでもこのモヤモヤを解消すべく、深夜のノリでパソコン開いてカタカタやっているわけです。きっと、明日の朝には恥ずかしさで悶えていることでしょう……。